<ルージュ・シティ>は、映画「AI」に出てくる未来の歓楽街です。
「AI」はご存知スピルバーグの最新作です。
わたしと、スピルバーグの映画とは相性が良くありません。
にもかかわらずほとんど観ているのは、スピルバーグの話題作りの巧さに何時もノセられているからです。
口惜しいけど、わたしの負けです。
「AI」を何故観に行ったかというと、唯唯(ただただ)<ルージュ・シティ>が見たかったからです。
<ルージュ・シティ>という未来の遊園地が素晴らしい、といった評をどこかで読んだからです。
歓楽街を遊園地と勘違いしていたのはミステイクでしたが、考えてみればそう変わらないですね。
何でそんなものが見たいんだ、と言われると困るのですが、見たいものは見たいのです。
でも、「1800円はなぁ〜」と思っていました。
ところが、イナカの映画館では金曜日はメンズディで1000円で観られることが分かりました。
レディスディというにはよくありますが、メンズデイは珍しい。
この映画館は、去年の暮れに甲府市郊外に出来たシネマコンプレックス「グランパーク東宝8」です。
「グランパーク」は、ショッピングセンターとボーリング場、ゲームセンター等が同居する複合施設です。
今、地方の映画館は単独(ワンスクリーン)では成り立ちません。
多くがシネマコンプレックス(複数スクリーン)に変わりつつあります。
シネマコンプレックスにすれば、人件費をはじめとする経費が大幅に削減できますし、プログラムもフレキシブルに変更できます。
ある映画がヒットすれば、その映画を複数のスクリーンで上映できます。
大都市はともかく、地方の映画館事情は非常に厳しいものがあり、生き残る為に残された唯一の形態がシネマコンプレックスです。
「グランパーク東宝8」は名前の通り、8スクリーンを擁する映画館です。
記念にどんな映画が上映されていたか撮ってきました。
撮ったのは映画館の入口にあったポスターです。
ネオンに縁取りされた奇麗なディスプレーでした。
部分しか撮ってませんので、ご興味がありましたらタイトルを当てて下さい。
全部当てたら、貴方は相当の映画通ですね。
ハリウッドは夢の工場と言われています。
映画は夢です。
ポスターはさしずめ夢の入口にあたります。
それでは、八つの夢をご覧下さい
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左は「AI」。
これは誰でも分かりますね。
右は「猿の惑星」です。
「猿の惑星」は公開されてすぐに観ました。
何と言っても敬愛するティム・バートン監督の作品ですから。
はっきり言って期待外れでした。
残念でしたが、ま、こういうこともあります。
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次は、「パール・ハーバー」と「ドリヴン」。
「パール・ハーバー」はアメリカでコケて、日本でヒットしたという不思議な映画。
逆だったら納得できるのですが。
主演女優の唇をルージュ・シティのカットで拝借いたしました。
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「ジュラシック・パーク3」と「キッス・オブ・ザ・ドラゴン」。
「ジュラシック・パーク」はマイケル・クレイトンの原作が面白いと聞いています。
「キッス・オブ・ザ・ドラゴン」は、ジェット・リー。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」の弁髪姿のジェット・リーはカッコ良かったですね〜。
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最後は、「RED SHADOW 赤影」と「千と千尋の神隠し」です。
日本映画です。
まだ観ていませんが、私見ではこの2本が一番面白と思います。
何と言っても、「SF サムライ フィクション」の中野裕之と、世界の宮崎駿ですから。
日本映画界の層は薄いですが、水準はかなり高いと思います。
とまぁ、暇に任せて映画のことを勝手に書いてしまいました。
ところで、肝心の<ルージュ・シティ>です。
ネオンとハイテクの入り交じった<ルージュ・シティ>は、高速道路の橋を渡った先にあります。
橋にある大きなルージュのネオンを潜ると、そこが<ルージュ・シティ>。
「AI」の下敷きになっているのは、「ピノキオ」と「オズの魔法使い」です。
主人公の少年(ロボット)とジゴロ・ロボットのジョーとオモチャのテディ・ベアは、ブルー・フェアリー(「ピノキオ」の登場人物)の居場所のヒントを求めて<ルージュ・シティ>に行きます。
<ルージュ・シティ>は概ね予想通りの映像でしたが、ブルー・フェアリーの居場所を知っているというドクター・ノウの部屋のシーンは面白いと思いました。
映画を見終わった後気がついたのですが、<ルージュ・シティ>は日本にもありました。
それは、お台場です。
レインボーブリッジを渡ると、ネオンとアミューズメントの街、お台場です。
スピルバーグがお台場をモデルにしたとは思えませんが、非常に良く似ています。
大人の歓楽街ではないのですが、大観覧車やショッピングモール、ゲームセンターの光で彩られたお台場は、まさに<ルージュ・シティ>。
石原都知事の思惑通りカジノが出来れば、そこは大人の歓楽街にもなりますね。
お台場にあるシネマメディアージュは東宝とソニーの作ったシネマコンプレックス。
恐らく今日本で一番環境の良い映画館です。
何よりも座席の段差、配列に工夫が凝らされていてとても見やすい。
音響も最高です。
「グランパーク東宝8」はそのシネマメディアージュを手本とした映画館です。
別に確かな根拠はないのですが、両方行ったわたしはそう感じました。
共に東宝の直営館です。
東宝が考えている、これからの地方の映画館のモデルケースではないかと思います。
映画はどこで見ても映画ですが、環境というものも大きいと思います。
トイレの消臭剤の匂いが客席まで漂う場末の映画館も、時には良いものです。
自室でリラックスしてみるビデオも、それはそれで楽しい。
きっと、夢を見る場所はそれぞれに相応しいところがあるのですね。
<ルージュ・シティ>を観に行ったわたしは、まわりまわってイナカの<ルージュ・シティ>でそれを観ていたのでした。
そこに、ブルー・フェアリーを探すヒントがあったかどうかはわかりませんが・・・・。
ネオンの瞬く「グランパーク」の帰り道、高速道路ならぬバイパスの光の河でそう思いました。
※「AI」は、1000円の価値はある映画でした。
特に、ジゴロ・ロボット役のジュード・ロウが良かったです。