思ったよりは静かに21世紀が始まりました。
2000年/ミレニアムの騒ぎに比べるとヒッソリとした幕開けになりました。
ミレニアムはピンと来ませんでしたが、21世紀はわたし達にとって未来の代名詞でした。
そこに足を踏み入れた時がやって来たことは、何か感慨深いものがあります。
さて、そんな静かな雰囲気の中、熱かった人達もいました。
日本で一番熱く21世紀を迎えた人々。
それは、宝塚ファンですね。
2001年1月1日、東京日比谷に新しい東京宝塚劇場が誕生しました。
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左は新劇場のエントランスです。 旧東京宝塚劇場はNHK紅白歌合戦も開催していた由緒ある劇場でした。 立て替えの間は、有楽町に仮設された「1000 days 劇場」で公演が行なわれました。 ファンにとっては待ち遠しかった新劇場の完成でしょう。 元旦には落成に相応しい行事がいろいろあったようです。 |
新東京宝塚劇場、そこにはわたしの興味を惹くモノがあります。
それは、搭です。
昨年のこのページで「搭」を取り上げました。
(世の中広いもので、送電鉄塔の観察を趣味としている人がいるそうです。自動車雑誌「ENGIN」に載っていました。http://www20.cds.ne.jp/~furuta/tower/index.htmlがそれです。搭関係のリンクもあって面白いですよ。)
新劇場の建物には搭が付属しています。
上の建物の角の飛び出た部分が四角い搭になっています。
5〜6階分はあるでしょうか。
小っちゃな搭ですが、夜は搭部分がライトアップされます。
先端がグリーンで、搭全体は白く輝いて空に浮かんでいるように見えます。
辺りにそれほど高層のビルがないのでかなり目立ちます。
新東京宝塚劇場は、この搭で日比谷の劇場街のランドマークになると思います。
お正月気分ももう終わりましたが、皆さんは如何お過ごしだったでしょうか。
わたしは暮れから正月にかけて一冊の本を読みました。
『塀の中』。
マンガ家花輪和一さんの獄中記です。
(別にこの時期に敢えて読もうと思ったわけではありません。以前から興味があった本をたまたま暮れに購入しただけですよ。)
花輪さんは異能のマンガ家として知られた人です。
その花輪さんが、拳銃不法所持で懲役三年になり札幌と函館の刑務所でお務めしてきました。
モデルガンマニアが高じて本物に手を出した、というパターンです。
このマンガで描かれた獄中記は一風変わっています。
「塀の中」がどうなっているのだろうか、という興味は多くの人にあると思います。
昔から獄中記は数多く出版されていますし、阿部譲二さんの「塀の中の懲りない面々」がベストセラーになったのは記憶に新しいところです。
「塀の中」はアナザーワールドですね、外の人にとっては。
花輪さんは著書でアナザーワールドを淡々と綴っています。
過剰な気負いもなく、彼自身の好奇心の赴くままに塀の中の生活を描写しています。
スタイルの新鮮さと視点の面白さがこの本の魅力です。
耽美的な画風の人ですが、ここでは幾分それを押えた細密な描写にユーモア(自己の戯画化)を交えています。
日本のマンガの水準の高さは『塀の中』を見ていると良く解ります。
アナザーワールドに於ける人間も人間であり、そこからわたし達の生活を見ていくと面白い発見があります。
例えば、グルメ。
「日本崩壊食」の章では「塀の中」の食事、特に甘味が描かれています。
月に6回あるパンの昼食は受刑者の楽しみだそうです。
「塀の中」は外に比べて甘味が著しく制限されています。
パン食には甘味が付いてきます。
6回のパン食の中でも特に最高の日には、フルーツサラダ、小倉小豆、マーガリン付きです。
これを食べると脳が溶けそうになるくらい美味いそうです。
言葉では言い尽くせない美味さで、ヘロインなんかめじゃないそうです。
そこらのコンビニで幾らでも売っているモノ、がです。
受刑者の中には甘いものは胸やけがするといって残す人がいますが、それを貰って食べると懲罰になります。
しかし、宝石店のダイヤを盗むくらい危ない橋を渡る者もいるそうです。
外では妻と子供が父の帰りを一日千秋の思いで待っていてもです。
バレたら仮釈放取消しにもかかわらず、大の男がその味に負けてしまうそうです。
外の世界のグルメとは一体何なのか?
花輪さんはそう問いかけていますが、わたしも考えてしまいました。
と、いつものように空想に耽っていると3日から仕事が始まってしまいました。
ところが、7日の夜から雪が・・・・。
雪が降ると仕事上いろいろと面倒な事が・・・・。
幸い朝には止んで仕事は予定通りでした。
上は職場近くの駐車場です。
結構積もりました。
10センチ以上はありますね。
子供の時は単純に雪が降ると嬉しくなったものです。
仕事の事とか雪かきとか考えずに済みましたからね。
雪が降ると辺りは無音の世界に変わります。
雪が音を吸収するためです。
この静けさは雪が降ったときだけ味わえる楽しみです。
音が無い世界。
こういうのもタマには良いですね。