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ゴルゴ

このページは『「美」と「術」2000/テキスト』の後に作成しています。
テキストで「絵になる」、「絵にならない」を問題にしました。
イラストの世界でも「絵になる」、「絵にならない」が嘗(かつ)て問題になりました。
「ヘタウマ」です。
玄人の「絵になる」がパワーを失って、素人の「絵にならない」メチャクチャパワーを取り込んだのが「ヘタウマ」です。
湯村輝彦が元祖です。
わたしは最近のイラストに疎くなってますが、この流れは今でも続いているのではないでしょうか。

さて、街で見つけた「絵にならない」メチャクチャパワー。
場所は甲府の郊外です。



古本屋「ゴルゴ」です。
撮影した日は生憎祝祭日でしたのでお休みでした。
店入口の両側に「風神」、「雷神」のごとく「ゴルゴ13」のペインティング。
上の看板のカラー版「ゴルゴ13」も素人パワー爆発。

「ゴルゴ13」は昔読んでました。
「ビッグコミック」でしたよね。
劇画という言葉が懐かしい。
「ゴルゴ13」は映画の制作スタイルをモデルにして、プロフェッショナルな分業化をしていました。
タイトルの横あたりにスタッフ7人前後の名前があったと記憶しています。
作者のさいとうたかおは映画の監督といったポジションでした。
漫画家がアシスタントを使って家内工業的にやっていたのとは対照的でしたね。


迫力ありますねぇ。
画面下の地面とおぼしき部分のグラデーションのタッチが効いてます。
右側のゴルゴが持っている銃が傘に見えてしまうのが愛嬌ですが。

ところで、描かれている壁面の余分なモノ(コンセント、換気扇、照明)が気になりますね。
立て掛けられたバットみたいなモノやシャッターを下ろす鉄の棒も。
このバットみたいなモノ、途中でヘンな形に折れ曲がってます。

この余分なモノは「絵にならない」モノなのですが、存在感あります。
「絵」と五分に渡り合っていますね。
(恐らく古本屋の前はスナックだったのでしょう。その備品がそのまま残ったと思われます。)
二次元のイリュージョンと日常の三次元が入り交じってストレンジな空間を作っています。
あるいは、メチャクチャパワーと古ぼけたエレクトロのコラボレーションとでも言いましょうか。
そう思ってしまうのは、現代美術の見過ぎでしょうか?
多分そうだとは思うのですが、ここには不思議なインパクトがあります。
「絵にならない」同士によるインパクトが。

古本屋「ゴルゴ」の左隣にスナックがあります。
そこの壁面にも風景画とおぼしきモノが描かれていました。
下の小さな画像がそれです。
(上の古本屋「ゴルゴ」全景でも左端に微かに見えます。)
作者が同じでしょうか?
タッチが似ているような・・・・。




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