小嶋三樹展
シリーズ「単色画」vol.2
KOJIMA Miki
本展はシリーズ「単色画」の第2回です。
シリーズ名の単色画とはモノクロームの絵画、写真、版画1などを意味します。
カラフルな「映え」とは異なるモノクロームの魅力を、4回に渡って展示する予定です。
vol.1 向井三郎展 5月27日ー7月13日 平面(ドローイング)
vol.2 小嶋三樹展 6月24日ー7月11日 写真
vol.3 渡邉一仁×扶蘇真弓展 7月22日ー8月8日 平面(刺繍/鉛筆画)
vol.4 日比野絵美展 9月2日ー9月19日 版画
小嶋三樹展の展示風景です。
各壁面の展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側壁面、左側の作品です。
左壁面、右側の作品です。
カウンター上の作品です。
以上の14点で小嶋三樹展は構成されています。
作品はすべてアーカイバルピグメントプリント(顔料系高品位インクジェットプリント)です。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面の作品です。
左からタイトル「閑寂幽玄(2021-12)」で、サイズM(用紙サイズA3ノビ)、
「太素杳冥(2021-4)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)、
「閑寂幽玄(2021-1)」でサイズL(用紙サイズA1ノビ)、
「閑寂幽玄(2021-2)」でサイズL(用紙サイズA1ノビ)です。
正面壁面の作品です。
左から「太素杳冥(2021-2)」でサイズL(用紙サイズA1ノビ)、
「太素杳冥(2021-1)」でサイズL(用紙サイズA1ノビ)、
「太素杳冥(2021-14)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)です。
右壁面、左側の作品です。
左から「太素杳冥(2021-9)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)、
「太素杳冥(2021-5)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)、
「太素杳冥(2021-7)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)、
「太素杳冥(2021-13)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)です。
右壁面、右側の作品です。
左から「閑寂幽玄(2021-3)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)、
「閑寂幽玄(2021-4)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)、
「太素杳冥(2021-11)」でサイズM(用紙サイズA3ノビ)です。<作家コメント>
瀧や樹の内側から湧き出してくる光(=生命)と無心に向き合うと、人はそれぞれの心象風景に出逢い、時空間を超えた関わりを持つことができるようになる。
肉眼では感じられないくらいゆっくりと、しかし確実に人の何倍も生き続けている樹の生命力に今のかけがえの無い大切な時間を感じ、音を立て流れ続けている水にはむしろ、静止した時や静寂を感じる。
無常。すべてのものは過ぎ去り滅び行くものだから、その一瞬の生命(=光)は尊いのです。
一般の人々がカラーフイルムを使い始めたのはかなり昔のように記憶しています。
技術が進んで量産化が可能になり、低価格になれば一気に普及するのは商品販売のセオリーです。
しかし芸術表現としての写真は1980年代(ニューカラー)になるまでモノクロームが主流でした。
つまり行楽や行事などの記念写真はカラーで、作家の作品となるとモノクロームという時代が続きました。
なぜなら、カラー写真には保存性(褪色)の問題があり、モノクロームにはそれまでに培った表現技術の蓄積があったからです。
モノクロームの写真表現には多くの特色がありますが、小嶋さんの場合は密な空間表現が突出しています。
樹木や落下する瀧の水の、ギッシリと情報が詰まった精緻な画面は、細密な鉛筆画や銅版画のような雰囲気です。
それが超絶技巧だけに終わっていないのは、作家コメントにあるような精神性(霊性)が作品の中心にあるからです。
眼が快楽を覚えることがありますが、この空間表現は驚異と共にまさに快楽です。
この写真を眼にすれば思いがけない愉悦を覚えてしまうのです。
密である。
異常に密である。
それは単に画素数が多くて、解像度が高いことではありません。
小嶋さんの写真には、細部に何かが宿っているような、アニミズム的な密度があります。
天上でなく、大地の自然に宿る神々の響宴を見ているような感覚になります。
それは不思議な体験であり、しかもわたしたちがいつの間にか失ったものの懐かしさにも思いが行きます。
その表現が写真で為されていることもまた驚きです。
近代の始まり、写真は魂を吸い取る機械(マシン)として恐れられました。
写真は近代の科学の産物であり、それと共に歩んだ歴史があります。
しかし小嶋さんの写真のような、近代とは一線を画した、古くからの大きな歴史に目を向けた表現は今は大きな流れです。
そのアンビバレンツな、捻れた関係が、(ある意味で)写真の面白さかもしれません。
ご高覧よろしくお願い致します。
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シリーズ「単色画」vol.2 小嶋三樹展
会期:2021年6月24日(木)〜7月11日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00
会場アクセスと展覧会スケジュール