iGallery DC

塩入由美展
SHIOIRI Yumi

塩入由美展の展示風景です。

各壁面の展示をご覧下さい。

画廊入口から見て、左側の壁面です。

正面の壁面です。
奥の壁面にも小品の展示があります。

右側の壁面です。

以上の9点で塩入由美展は構成されています。
作品はすべてキャンバスに油彩です。
それでは左側壁面から時計回りに一点づつご覧下さい。

左壁面のタイトル「右腕・2」で、サイズは53.0(H)×65.2cm(W) (F15) です。
畳の上のゴロンと横たわった右腕。
いきなり、塩入さんらしい構図、色合いです。

「すべり台」で、60.6×72.7cm (F20)です。
塩入さんは専ら室内を描いてきた作家ですが、今回は戸外の光景を描いた作品も展示されています。
これ又、塩入さんらしい色と構図ですが、静謐な描写が心に残ります。

左は「ソファー」で38.0×45.5cm (F8)、右は「砂場」で60.6×72.7cm (F20)です。
真正面からのソファーと、ちょっと捻った構図の砂場。
砂場の奥に見えるの穴のようなものは、排水孔です。

正面壁面の「ふとん・2」で、116.7×116.7cm (S50)です。
蛍光色を思わせる、独特の鮮やかなグリーンが印象的な作品。

正面奥の壁面の「ソファーの上の座布団」で50.0×60.6cm (F12)です。
先ほどのソファーに、塩入さんのグリーンです。

右壁面の「右腕・1」で、72.7×60.6cm (F20)です。
左壁面の「右腕・2」と対になる作品です。
どことなく、夏を感じさせる作品ですね。

「ふとんの上の両手・1」で、60.6×60.6cm (S12)91.0×116.7cm (F50)です。
ふとんと人物の描き方が秀逸な作品。
サイズと内容も合っています。
寝室に飾ったら、どんな感じになるでしょうか。

最後は「畳の上のクッション」で、60.6×60.6cm (S12)です。

塩入さんの描く対象は主に室内です。
それと戸外の公園。
どちらも、ごく日常的な光景です。
室内は、畳などがまだ残る、いささか古い家屋の室内です。
その日常的な室内と公園の一部を切り取り、丁寧に描いています。

では、室内や公園にドラマがあるかといえば、あるのはごく日常的な光景だけです。
誰も目に留めないような日常が展開されているだけです。
いや、言葉を換えれば、日常を構成している室内の設備や備品、そして人物の一部が描かれているだけです。
なぜそのようなものが絵画の対象になるのか。

首を傾げるようなものが選ばれて描かれています。
特異なのは、その色彩と構図です。
色と空間の切り取り方が、独特です。
しかし、そう思うのは絵を見る人間だけかもしれません。
塩入さんにとっては、日常とは、そのように見えている可能性があります。

視点とは、物事を見たり考えたりする立場のことです。
塩入さんの日常に対する視点は、一般のそれではありません。
では特異なだけかといえば、そうも言えません。
日常というものを先入観なしに見たら、どう見えるでしょうか。
ここに塩入さんの視点の面白さ、絵画の独自性があります。

日常という未知（？）の世界に入り込んだ画家。
画家はそこで多くの発見をします。
その発見は、わたしたちに日常とは何かを問いかけます。
ありきたりと思っていた日常に潜む、日常の素顔。
その素顔の意外な美しさや存在感に、わたしたちは改めて日常を考え、見直すこととなるでしょう。

ご高覧よろしくお願い致します。

＜作家コメント＞
私は日常を描いている。
しかし、東日本大震災により、日常は簡単に壊され、それがいかに尊いものであるか実感した。
テレビで見る被害の様子はショックだった。
これは決して他人事ではなくいつ自分の身に起こっても不思議ではないと思った。
余震は続き、原発事故は収束しない……
そんな中絵を描いていていいのだろうか、もっと子供の安全を考えなくては。
そもそもなぜ絵を描いているのか、自分は一体何なのか。
様々な思いが駆け巡り、描けなくなった。
でもなぜかはよく分からないが、また描き始めた。
以前より絵の中の日常が怖くなった気がした。

塩入由美略歴

2002年藍画廊個展
「美」と「術」2003展
2004年藍画廊個展
新世代への視点2006 塩入由美展

プライスリスト
作品の価格は2012年7月まで有効です。
作品を購入後希望の方は、恐れ入りますが、下記までメールにてご連絡をお願い致します。
折り返し送金方法、納品時期等をお知らせ致します。
（作品が配送の場合、勝手ながら送料はお客様のご負担とさせていただきます。）
なお、作品納入後一ヶ月以内の返品は受付させていただきます
fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
(＊お手数ですが@を一つ取ってから送信してください。)


iGallery DC 　塩入由美展

会期：2011年7月10日（日）〜8月7日（日）　
開廊日：木・金・土・日
時間：12:00〜19:00

会場アクセスと展覧会スケジュール