志村陽子展
SHIMURA YOKO
志村陽子展は「水が紡ぐ物語2018」というサブタイトルが付いたインスタレーションです。
インスタレーションを構成しているのは、和紙で制作された8点のツリー状の作品と、2点(小品の連作10点)の和紙とガラス管の作品です。
又、参加型として<紙のお守り>を水に還す作品も展示されています。
作品に関するテキストが壁面に貼付されていますので、以下に転載いたします。ー水が紡ぐ物語2018ー
長い間大切にまもられてきたものたちの記憶や何かの気配、生命の息吹の断片
のようなものを感じる空間をインスタレーションで表現する事を試みています。
京都、静岡、兵庫、奈良でその土地の水を使用した作品を発表して来ました。
本展では山梨県の水を使用し、オリジナルの方法で葉脈の形状をした紙を作り
ました。水があなたと作品を繋げていきます。葉脈の中で作品の一部になるこ
とを体験してみてください。お守りの溶けた水に、あなたの心の一部を残して作
品に深みを付けていただけたら幸いです。
「水が紡ぐ物語」の始まりです・・・
2017.8 志村陽子展示風景を御覧下さい。
植物は基本的に光と水と養分を必要とします。
そして光合成によって酸素を発生させ、ヒトの生存環境を形成し、食物にもなります。
ヒトは生を終えると土に還り、養分となって植物の生育に寄与します。
他方、雨水は川となって海に注ぎ、海水は蒸発して気体となり、雨となって再び地上に降り注ぎます。
ヒトはもともと海から海から生まれたと言われ、その体内の大部分は水分です。
このような循環や因果関係が複雑に絡み合って、地球という天体の現在があり、個として、類としてのヒトが在ります。
志村さんの作品はそのような複雑な生態系を基にしていますが、それは日本人の素朴な信仰と重なります。
人格を模した神ではなく、大きなシステムそのものを畏怖し、そこに同化することで生と死を受容する信仰です。
インスタレーションという形式も、美術でありながら、どこか社(やしろ)の装置を連想させます。
採用された白という色も多くの信仰に深い関係があり、作品の深いところには<祈り>もあります。
志村さんの作品は心地良い。
なぜ心地良いかと言えば、安心できるからです。
なぜ不安がないかと言えば、大きなシステムと同化している、同化しようとする意思があるからです。
今回、その小さな試みとして紙のお守りを水に還す作品があります。
それも又、社の神事に通じているように思えます。
美術は先端の表現ですが、常に先祖返りを含んでいます。
自分の立ち位置が遠い古(いにしえ)にあって、そこから離れたら美術ではない他のものになるからです。
そのような意味においても、志村さんの作品は正統であり、本来の道からは外れていません。
ご高覧よろしくお願いいたします。作品を購入御希望の方は、恐れ入りますが、下記までメールにてご連絡をお願い致します。
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fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
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志村陽子展
会期:2018年7月8日(日)〜7月29日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00
会場アクセスと展覧会スケジュール