iGallery DC

雨宮千鶴展
AMEMIYA Chizuru




雨宮千鶴展の展示風景です。







上から、画廊入口から見て左側壁面左、左側壁面右、正面壁面、右側壁面の展示です。
雨宮千鶴展は以上の11点で構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。

 


画廊入口から見て、左壁面左の作品です。
左からタイトル「Niwa2023-12」(木版コラグラフ、ドライポイント、他)でサイズ36.1×26.1cm、
「青葉のころ 風がふく」(ドライポイント、コラージュ)で、この作品はページ最上部のワインラベルの原画です。

 


左壁面右の作品です。
左から「Niwa2023-10」(木版コラグラフ、コラージュ、他)で60.0×30.3cm、
「Niwa2023-8」(木版コラグラフ、コラージュ、他)で30.0×60.0cmです。

 


正面壁面の作品です。
左から「Niwa2024-5(B)」(木版コラグラフ、ドライポイント、コラージュ、他)で56.0×56.2cm、
「Niwa2023-11」(木版コラグラフ、ドライポイント、他)で30.2×40.7cmです。

 


右壁面左の作品です。
左から「Niwa2024-3」(木版コラグラフ、エッチング、コラージュ、他)で30.0×30.0cm、
「Niwa2024-4」(エッチング、手彩色)で29.8×29.8cmです。

 


右壁面中央の作品です。
左から「Niwa2024-2」(木版コラグラフ、エッチング、コラージュ、他)で30.0×30.0cm、
「Niwa2024-1」(エッチング、他)で30.0×30.0cmです。

 


右壁面右の作品です。
「Niwa2023-9」(木版コラグラフ、ドライポイント、コラージュ、他)で60.2×30.5cmです。


<作家コメント/制作について>

〈Niwa〉シリーズは、自宅の庭にある息づく古木や苔むした石の有り様を残したいと思いスタートしました。
今は、日々生活する中で心に残った形、色、臭い、音など五感に響いた自分自身を取り巻く自然の有様を〈Niwa〉として画面に残しています。
時の流れとともに刻々と変化している有様や空気感をいかに表現するか、試行錯誤しています。
制作には、版を使用していますが、複数枚制作可能な版画とは違い、全て1点のみの作品です。


雨宮千鶴さんの版画は1点のみ制作されるモノタイプと呼ばれるものです。
木版コラグラフ、銅販、シルクスクリーン、コラージュを併用しているので、物理的に1点しかできないからです。
それと、今回は作品のベースに過去の没(ぼつ)版画を使っているのも特色です。
その没版画からもイメージを膨らませて、多層的な作品を作っていきます。

版画はもともと職人による分業でした。
江戸時代は絵師、彫師、摺師の各々が専門的技術を駆使して、浮世絵の繊細な線や多彩な色を木版画という複製メディアで出版しました。
作家がすべての行程を手がける創作版画の時代になってからは、職人レベルの技術は求められませんが、複数の版が必要な多色刷りには厳密な見当(版と版を一致させる目印)などは不可欠です。
そうしないと色がズレてしまうからです。
ところが、雨宮さんの作品には色ズレが多く見られます。
これは技術力の問題ではなく、意図的な<雑>を目指しているからです。

<雑>は否定的な言葉として使われる場合が多いのですが、音楽で不協和音が重要な役割を持っているように、効果的に使えばそこに深い表現を創り出すことが出来ます。
特に人間の感覚の複雑なニュアンスを伝えるには<雑>は適しています。
雨宮さんの記憶の中で混じり合った<庭>の様相。
その混じり合った五感のニュアンスは、複数のレイヤー(層)と微妙なズレによって色彩豊かで新鮮な画面を生んでいます。

<雑>といえば、<庭>という空間もいろいろな動植物が相互に影響を与えあって移ろう場所です。
わたしたちが四季を覚えるのも、その<雑>な生態系の多様な運動の賜です。
雨宮さんの作品に生の息吹を感じるのも、そこに<雑>そのものの広大かつ微細な宇宙が現れているからだではないでしょうか。

ご高覧よろしくお願い致します。


作品リスト1
作品リスト2

雨宮千鶴2015年iGallery DC個展
山神悦子×雨宮千鶴2017年iGallery DC二人展

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雨宮千鶴展
会期:2024年2月8日(木)〜2月25日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00


会場アクセスと展覧会スケジュール