上野茂都・福田昌湜展
「本と写真と彫刻と」
UENO Shigeto・FUKUDA Masakiyo
上野茂都・福田昌湜展の展示風景です。
上から、画廊入口から見て左壁面左、左壁面右と正面壁面、右壁面の展示です。
本展は上野茂都さんとiGallery DC運営者福田昌湜の二人展です。
作品の詳細をご覧下さい。
上野茂都さんの作品です。
ギャラリー中央の展示台の作品です。
タイトル「Work 2023 model Red1~12」で、木と色鉛筆を使用、サイズは200mmです。
「Work 2023 model Red1~12」の詳細です。
左から「Work 2023 model Red1」「Work 2023 model Red2」と続き、右端が「Work 2023 model Red12」です。
エアコン下の作品です。
タイトル「Work 2023 model Green13~15」で、木と色鉛筆を使用、サイズは200mmです。
左から「Work 2023 model Green13」〜「「Work 2023 model Green15」です。
福田昌湜の作品です。
作品はすべてアーカイバルピグメントプリント(高品位インクジェット)です。
左壁面左側です。
左からタイトル「風景2023-1」、「風景2023-2」です。
サイズはすべて178×267mmです。
左壁面左側と正面壁面の作品です。
左から「風景2023-3」、「風景2023-4」、「風景2023-5」です。
サイズはすべて250×375mmです。
右壁面左側の作品です。
左から「風景2023-6」、「風景2023-7」、「風景2023-8」、「風景2023-9」 です。
サイズは左側の3点が178×267mm、右端は175×175mmです。
右壁面右側と正面壁面裏の作品です。
左から「風景2023-10」、「風景2023-11」、「風景2023-12」、「風景2023-13」、「風景2023-13」です。
サイズはすべて178×267mmです。
いつもの事ながら,上野さんの作品は意表をついている。
長さ20cmの赤い棒と緑の棒。
これはミミズをモチーフにしています。
ミミズは漢方薬として重宝された故事もあって、赤龍という素敵な漢字もあてられています。
そして、素材が割り箸というのが上野さんらしい。
6本の割り箸を接着して、隙間は爪楊枝やアイスクリームのヘラで埋め、小刀で形を整え色鉛筆で着色したのが本作です。上野さんの彫刻は大衆芸術という形容が相応しいと常々思っています。
その昔はどこの駅前にも大衆食堂があって、わたしの父は昭和30年代そこで調理人をしていました。
まだ日本が貧しかった頃で、大衆食堂は庶民の食欲を満たしていました。
上野さんの場合は食欲ではなくて、信仰のようなものがモチーフになっています。
いわゆる庶民信仰ですね。
大衆芸術を辞書で引くとポップアートと出てきます。
アンディ・ウォーホルに代表されるポップアートですが、あれは消費社会がテーマです。
こっちは大衆、庶民の死生観や願望です。
それは大衆芸能の落語、講談、浪曲などの根底にある世界観で、上野さんには三味線を弾きながら唄う芸人という一面もあります。
庶民の目線を拾い上げ、専門である石彫と日常的な素材(紙、石鹸、薩摩芋、端布、割り箸など)で、彫刻の歴史を重んじながら新たな1ページをそこに加える。
簡単に言えば、それが上野さんの大衆芸術ではないかと想像しています。さて、対するわたし(福田昌湜)の写真の被写体も、普通にどこにでもある家が多い。
今や大衆的という形容は当たらないが、一般的ではあります。
その多くは欧米風の意匠をまとっていて、建て売りや住宅メーカーが販売したものです。
ここに日本人の欧米コンプレックスを見るのは簡単ですが、そういった批評性はわたしの写真にはありません。
ただただ、風土となった当たり前の住宅に訪れる魔法の一瞬が見たくて風景を切り取っています。
無理矢理こじつければ、欧米風の住宅が戦後の大衆の願望の結果だとすれば、そこに上野作品との接点があるのかもしれません。ともあれ搬入が終わって、両者の作品が展示された空間を眺めていると、とても落ち着くことに気が付きました。
多分、<気>が合うのでしょうね。
2人展の企画者として、それはとても嬉しいことに違いないと胸をなで下ろしました。
ご高覧よろしくお願い致します。
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上野茂都・福田昌湜展「本と写真と彫刻と」
会期:2023年7月27日(木)〜8月13日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00
会場アクセスと展覧会スケジュール