藍 画 廊

河田政樹展
残るまで
KAWADA Masaki



壁面別の展示風景をご覧下さい。




展示室Aと展示室Bの展示です。
以上の9点で河田政樹展は構成されています。
(上の画像以外にも展示室Bコーナーに1点の展示があります。)
タイトルはすべて「Untitled(残るまで)」です。



展示室A、入口横の展示です。
マテリアルは紙にコピー出力で、サイズ14.8×21cmです。



展示室A、左壁面左の展示です。
6点組の作品のうちの2点で、紙にオフセット印刷で、サイズは各29.7×21cmです。



展示室A、左壁面右の展示です。
6点組の作品のうちの4点で、紙にオフセット印刷で、サイズは各29.7×21cmです。



展示室A、窓際の作品です。
左の3点のマテリアルはすべてプラスチックで、サイズは左から8.5×7.5×9cm、6.5×6.5×7cm、7×9×8cmです。
右は紙にオフセット印刷で、14.8×21cmです。

 



展示室B、映像の作品です。
サイズは可変です。



展示室B、窓側壁面とコーナー作品です。
左は紙にオフセット印刷で29.7×21cm、右は3点組で、上から紙にオフセット印刷でサイズ可変、紙にラッカー、紙にインク・マスキングテープです。

 

現代美術の特徴の一つとして、思考を働かせて作品を見ることの面白さがあります。
作品に込められたコンセプト(概念)を読み解くことです。
これは現代美術を難解にしている要因でもあるのですが、この知的なゲームの魅力はなかなか侮れません。
今回の河田政樹さんの展示も一見するとそれではないかと思ったのですが、思考の入口がどこにあるのか分かりません。
ちょっと戸惑いながらボーっとB室の映像を見ていたら、とても気持ちが良くなってきました。
ただただ書物のあるページを映しているだけの映像ですが、この緩やかな単調さが徐々に思考停止に導いていきます。
つまり見ることだけに頭を休めて専念していると、映っている書物と木漏れ日、微風の取り合わせが何とも美しい。
その美しい時間の流れに意味を求めるのは野暮な気がしてきます。
思考停止に陥ること、意味を求めないこと、この作品の鑑賞にはそんな方法が良いのかもしれません。

しかし鑑賞者をそのような状態に導き、尚かつ作品として成立するには相当な技術が必要になります。
作家としての技術力、構成力がないと(ついつい)意味を見つけるようになってしまうからです。
映像の作品を見た後、改めて展示室Aから作品を見直すと、河田さんが並々ならぬ技量の持ち主であることが分かってきます。
展示室A、Bともに細部まで神経の行き届いた構成で、一点一点の作品の完成度(感性度)も秀逸です。
写真、小立体、映像で組み立てられた展示ですが、インスタレーションとも違う感触です。
作品の独立性が高く、それでいて相互に響き合っている。
こういう作品/展示はあまり見たことがないですね。
感心(歓心)しました。

このページの画像とテキストを読んでも、どのような作品であるか伝わっていないと思います。
それはわたしが思考停止しているからです。
そしてその思考停止状態は希有で貴重な体験になっています。
これはもうギャラリーで直接見ていただくしかありません。
一つの事件であるような、河田さんの個展です。

ご高覧よろしくお願い致します。


作品リスト

河田政樹2005年藍画廊個展
河田政樹2007年藍画廊個展
河田政樹2010年藍画廊個展
2013年藍画廊「子育てと美術」展
加藤学×河田政樹2016年藍画廊
加藤学×河田政樹2018年藍画廊
2022年藍画廊個展

会期

2026年3月2
日(月)ー3月7日(土)
11:30ー19:00(最終日17:00まで)

会場案内