吉岡朝美展
「ひそやかに、そっと」
YOSHIOKA Tomomi
吉岡朝美展の展示風景です。
各壁面の展示です。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の7点が展示室の展示で、その他小展示室に2点の展示があります。
作品の詳細をごらんください。
画廊中央の作品で、タイトル「ひそやかに、そっと」(薄 葉 紙・糸 )でサイズ可変です。
左壁面の作品で「 時よ、止まれ」(木・アクリル・薄 葉 紙)で455×455mmです。
右壁面、左端、中央、右端の作品です。
左は「無題」(木・アクリル・薄 葉 紙)で180×180mm、
中央は「無題」(木・アクリル)で180×180mm、
右は「無題」(木・アクリル)で180×180mmです。
入口横壁面、左端、右端です。
左は「無題」(木・アクリル・薄 葉 紙)で180×180mm、
右は「無題」(木・アクリル・薄 葉 紙)で652×652mmです。作家コメント〉
「ひそやかに、そっと」
見えているものが全てではない。
言葉にできない隙間を縫うように。
ささやかな喜びに満ちては消えてゆく。
見えない「何か」は存在し、それはどこかで繋がっている。吉岡さんの個展は、前回同様インスタレーションの大きな作品が中心になっています。
その作品を囲むように6点の小さなドローイングが展示されています。
インスタレーションの作品「ひそやかに、そっと」は白い薄葉紙を丸く切り抜き、それを繋いだものを多数天井から吊り下げています。
全体は円を形作っていて、中心は円の空洞になっています。
インスタレーションもドローイングの多くも、白と円がキーになっているように見えます。
白は、彼岸に通じています。
円は円環(サークル)を連想させます。
その所為か、ギャラリーの空間にはスピリチュアルな雰囲気が感じられますが、しかしそれは神秘とは異なります。
つまり作品はある種の仕掛けや謎ではなく、リアルな物質と構造から成り立っているからです。
吉岡さんの表現として自立しています。
科学は現実を実証的に解明しますが、それは世界の一部に過ぎません。
科学の進歩が続いたところで、世界はすべてをつまびらかにするわけではありません。
そこに美術の立場、立ち位置があって、世界と対峙します。
見えないもの、言葉にならないもの、聞こえないもの・・・・・。
主観と客観が入り混じって、世界に分け入る。
吉岡さんの作品は、そんな美術の役割を担っています。
吉岡さんの制作動機には親族の死があったそうです。
その時、生と死が切断されて、時間がリニア(直線的)に流れることに違和感を覚えたとのことです。
その違和感は文字通り、感覚的なものです。
何かが、自分の実感とは違うということです。
それを埋めるための行為が、今回の作品であり、それもまた美術の立場です。
作品を見るという行為はそれに参加することであり、共有は科学とは違う、美術の成果だと思います。
ご高覧よろしくお願いします。会期
2020年9月7日(月)ー12日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内