下山美紀展
「名前のないかたち」
SHIMOYAMA Miki
下山美紀展の展示風景です。
各壁面の展示です。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の13点で下山美紀展は構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面の6点の作品です。
タイトルは左端から「Pray form」、「Falling form」、「Uneven form」、「Bent form」、「Bluish form」、「Follow form」です。
すべて紙、色鉛筆を使用していて、サイズも各340×200mmです。
正面壁面、左端、右端の作品です。
左は「Four roundness」(紙、色鉛筆)で500×500mm、
右は「Three expanding roundness」(紙、色鉛筆)で850×850mmです。
右壁面、左端の作品です。
「Big four roundness」(パネル、紙、色鉛筆)で1200×1000mmです。
右壁面、右端の作品です。
「Big pray form」(パネル、紙、色鉛筆)で1200×1000mmです。
入口横壁面、左端、中央、右端の作品です。
左は「Faint form」(パネル、紙、色鉛筆)で652×652mm、
中央は「Standing pray form」(紙粘土、メディウム)でW75×H85×D55mm、
右は「Standingfourroundness」(紙粘土、メディウム)でW80×H90×D50mmです。〈作家コメント〉
見えないものを想い、見えるものを作る。
色を形に乗せることで、それを見えるものにする。
色が形を作り、形が形を作る。そこにはひとつの形がある。
それは例えば、丸みを帯びて角のない形。下山さんの作品の多くは紙に色鉛筆で描かれたものです。
特別な技法を用いているわけでもなく、奇を衒(てら)った視点を提示しているわけでもありません。
抽象的なパターンが描かれていますが、抽象画とは考え方が違う印象を受けます。
描画のプロセスを尋ねてみると、まずは形があるようです。
白い紙に丸みをおびた角のない形を描く。
そして、その形の内側のある地点から色鉛筆で小さなピースを描いていく。
そのピースは作品によって横方向に展開されてたり、縦に、あるいは渦巻き状に展開されます。
色はだいたい決まっているようで、それを繰り返し塗っています。
形にモチーフがあるわけでもなく、色も拘って選んでいるわけでもない。
あるのは方法論ですが、そちらに傾きすぎず、絵を描く楽しさのようなものを大事にしている気がします。
そして出来上がった画面は、形から生まれた色が自由奔放に拡散して、そして又形に収斂しています。
コンセプチャルな部分のある作品なのに、これほど楽しく、心が軽くなるのは珍しい。
ゆるい形の中の色は自在に動きまわっているようで、それはみなぎる生命(いのち)を思わせます。
そして、入口から時計回りに見ていくと、最後の最後に白い二つの小さな立体が目に入ります。
これは紙の描かれた形から色にバトンが渡され、そして又最後に形に戻ったことを意味しているのでしょうか。
もしそうだとしたら、これは物語なき時代の新たな物語かもしれません。
形と色が織りなす、とてもポジティブでとても洗練された物語。
なんだか徳をしたような気分です。
ご高覧よろしくお願いします。会期
2020年3月9日(月)ー14日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内