李染はむ展の展示風景です。
李染はむ展は以上の6点で構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。
画廊入口から見て左側の壁面、手前の立体作品です。
タイトル「龍のまばたき」(木、石粉粘土、アクリル)でサイズ440×460×340mmです。
左壁面、奥の作品です。
「透明なエントランス」(木、石粉粘土、アクリル)で440×460×340mmです。
正面壁面の作品です。
「沈静する果実」(キャンバス、アクリル)で1167×910mmです。
右壁面前、奥の作品です。
「頬杖をほどく」(木、石粉粘土、アクリル)で300×450×75mmです。
右壁面、手前の作品です。
「調和と計画 」(木、石粉粘土、アクリル)で470×660×460mmです。
入口横壁面の作品です。
「低く流れる」(キャンバス、アクリル)で600×500mmです。〈作家コメント〉
龍は想像上の生き物でありながら、しかし根源的な原理の上で自然を自在に操り天に駆ける。
自然に浸食された「地」は根源的な原理原則に基づいて整地することに始まり、
祈りの儀式を通じて美しい人工物へと昇華する。李染はむ(いせんはむ)さんの展示は4点の立体作品と2点の平面作品で構成されています。
まず立体から作られますが、木でカタチを作り、それに粘土とアクリル絵具を混ぜたものを指で描画していきます。
その画面を任意に削って、断面を表出させます。
それを紙にドローイングします。
ドローイングを基にキャンバスにアクリルで絵画を制作します。
このプロセスは、意識的な作業と無意識の作業が入り混じり、李染さんの意図と偶然が交わることに重点が置かれています。
予めのイメージを排除して、制作過程で表現を確立していく手法です。
このこと自体はそれほど珍しいことではないのですが、そこに込められた思想が面白いと思います。
サブタイトルにある「龍の整地」がそれです。
龍は想像上の生物ですが、荒俣宏の小説『帝都物語』に風水のベースとして描かれています。
その昔は、龍が通る道を確保することが都市計画の要だったのです。
人の人知を超えた龍の整地とは、言ってみれば「地鎮祭」に似ています。
地鎮祭は建築工事の前に土地の神を祀り、土地を利用させてもらうことの許しを得ます。
超自然と人間の知恵(土木、科学)のミクスチャーです。
それを制作プロセスの意識と無意識に重ね合わせ、平面と立体の境を横断して、今回の作品が生まれたと想像します。
幾つもの要素が混在して、美術の歴史を参照しながら、李染さんは手と身体を動かす。
それは世界の成り立ちに挑むことであり、自身の成り立ちを解くことでもあると思います。
ご高覧よろしくお願いします。
2013年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2015年藍画廊個展
2017年藍画廊個展会期
2020年2月24日(月)ー29日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
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