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藍 画 廊


土居隆範展


土居隆範展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。



左は、タイトル「between 0206」で、サイズは84.1(H)×178.1(W)×7(D)cm。
右は、「between 0204」で、59.2×84.2×6.9cm。
出品作品はすべて合板で制作したパネルに油絵具、ヒモ(糸)を使用しています。

右側と入口すぐ右(事務所裏側)の壁面です。



左の作品は、上で紹介した「between 0204」です。
右は、「between 0205」で、84×59.5×6.9cm。

左側と入口すぐ左の壁面です。



左は、「between 0201」で、42×59.4×6.4cm。
右は、「between 0202」で、145.6×103×7cm。
以上が画廊内の展示作品で、道路側ウィンドウにも一点(「between 0203」)展示されています。
土居さんの制作過程と作品の構造は、前回個展のご案内をお読みいただければ幸いです。


正面の「between 0206」に近づいて撮影してみました。
ヒモと掠りの帯がお分りになるかと思います。



前回個展は赤と青の作品でした。
コントラストの強さが印象的でした。
今回は青と焦茶。
山と雲が焦茶の作品は、空の明るい(薄い)ブルーと調和して、画面に落着きがあります。
描かれている風景もほぼ同じですが、若干抽象的になっています。
山と空と雲に見える風景です。

それ以上に違うのは「掠り帯」の幅です。
前回より広くなって、掠れていない部分との比率が逆転しています。

風景を描いた後に、画面を縦にマスキングし、筆で上から下に描くと掠れた部分が出来ます。
水平に等間隔に張られたヒモ(糸)があるからです。
マスキングを剥すと、もとの風景の部分と掠れた部分に分断されます。
(前回に比べると両者の見え方の差異は少なくなっています。)
前者の画面で、眼は架空の奥行きを作ります。
風景に奥行きを見るわけです。
後者では、眼は画面の表面で止まります。
掠れとヒモ(糸)の所為です。

表面と架空の奥行きの差分。
人の眼が勝手に作りだした空間です。

ここには「絵画」の秘密があるのではないでしょうか。
もちろん、単純な意味でのイリュージョンの問題ではありません。
「見えるもの」と「見えてしまうもの」の間、そこに「絵画」を「絵画」足らしめている何かが隠されているような気がします。
人間の視覚のメカニズムの裏側には、思いもよらぬ深い闇があるのかもしれません。

ご高覧よろしくお願いいたします。


会期


2002年11月18日(月)-11月23日(土)


11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内



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