峯岸千絵展
記憶装置としての線は
MINEGISHI Chie
峯岸千絵展の展示風景です。
各壁面の展示です。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の10点が展示室の展示で、その他小展示室に3点の展示があります。
タイトルはすべてUntitledです。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面前の床面に展示された21点のドローイング(紙、鉛筆、インク)です。
サイズはすべて394(H)×272mm(W)です。
ランダムに選んだドローイング1点です。
左壁面、右端の作品です。
キャンバス、ミクストメディを使用、サイズは910×727mmです。
正面壁面、左端、右端の作品です。
左右とも、キャンバス、ミクストメディで、910×727mmです。
左壁面、左端、左から2番目の作品です。
左右とも、キャンバス、ミクストメディで、910×727mmです。
左壁面、左から3番目、右端の作品です。
左右とも、キャンバス、ミクストメディで、910×727mmです。
入口横壁面、左端、右端の作品です。
左右とも、キャンバス、ミクストメディアで606×500mmです。〈作家コメント〉
- 制作ノート -関係しあう線
拡がりと運動名付けることのできない重なり
四角と意味のない記憶あらわれありふれた形(道具・身体・ただ写されたもの)
かさ鳴りあう線…身体とつながる感覚で線を引く、その繰り返しのうちに立ち現れるものを
取り込み、そこで生まれる表現への興味が制作へと向かわせるものです。
峯岸さんの展示は紙に鉛筆、インクで描いたドローイングと、キャンバスに水性絵具や鉛筆などを用いたペインティングで構成されています。
ドローイングの作品は線がメインになっていて、モチーフはありません。
頭を空っぽにして、身体の赴くままに線を引いていきます。
これは日常的なワーク(作業、作品)で、今回の展示作品はそのごく一部です。
他方、キャンバスの作品は画面の中央に矩形を配置するフォーマットを用いています。
ただしドローイングとは違い、何回も線を引き、何回も面を塗っていきます。
その繰り返しの中から表れる微妙な線の重なりや擦れ、面の微かな濃淡を大切にしながら、制作を進めていきます。
峯岸さんのドローイングもペインティングも要素の少ない、ミニマルな表現です。
色彩もほぼモノトーンです。
しかし冷たい感じがしない、どこか心が落ち着くような優しさがあります。
心地よい緊張感と平安を同時に感じさせる画面。
その秘密はメンタル(精神)とフィジカル(身体)の絶妙なバランスにあるように思えます。
観念に過ぎず、身体の記憶を大事にした表現です。
表現の核にあるのは、(恐らく)痕跡です。
生きていることの、痕跡。
時間と空間から育まれた、一人の人間の生きてきた痕跡。
その微かな痕跡を探って、生を視覚化したのが峯岸さんの作品ではないでしょうか。
そしてその生の痕跡は、同時代のわたしたちの生の痕跡と重なって、画廊に一つの空間が生まれています。
ご高覧よろしくお願い致します。
会期
2019年7月8日(月)ー13日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内