藍 画 廊


倉本麻弓展
KURAMOTO Mayumi

倉本麻弓展の展示風景です。



各壁面の展示です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の36点が展示室の展示で、その他小展示室に2点の展示があります。
倉本さんのコメントが壁面に貼付されていますので、下記に転載いたします。

作品について

私は睡眠中に見た夢を箱の中に立体的に再現する作品を制作しています。
黄ボール素材の箱作品には時々行き来する夢の中のまちの世界が入っています。
初めは点在していた一つ一つの夢は、追いかけられる夢や散歩する夢によって繋がり、 地図に描けるようになりました。
子供時代から20代前半くらいまでは「まちの夢」と「通常の夢」の区別が出来ていましたが、
だんだんと区別が曖昧になってきています。
「まちの夢」なのかわからない夢と「通常の夢」は黒い箱の中に制作しています。
また、制作した後で夢の詳細を思い出したり記憶が変わったり印象的な場面が変わる事があるので、 時を置いて同じ夢を制作する事もあります。

・箱の中の黒い人は私自身です。
・箱の蓋の内側には、夢の中の天気や天井を描いています。
・側面の丸い穴は、そこから覗くと自分の視線になるよう開けたものです。(例外あり)
・その他四角い穴等は、出入り口等です。
・記憶の濃さに応じて絵の具を水で薄めたり、色味を鈍くしています。
・箱の中は私の頭の中です。
・制作中に見るのは夢日記のみです。

箱の作品は蓋と説明文(夢の内容、及び夢を見た日付)と共に画廊壁面に整然と並べられています。







ピックアップした作品のクローズアップです。


















夢を絵画にしたり、映画にしたりすることは珍しくありませんが、立体でジオラマ風に仕立てるのは初めて見ました。
場面を再現して、夢の内容もテキストで説明する。
この作品の面白さをこのページで伝えるのは難しいので、是非会場に足を運んでじっくりとご覧になって下さい。
1点見るのに1分として38分はかかりますので、お時間も余裕をみていただければ幸いです。

美術で夢といえばダリに代表されるシュールレアリズムですが、倉本さんの方がリアルで親しみやすい。
あるある感があって、共有できます。
それはジオラマ風の立体であることが大きな理由だと思います。
場面の細部はこだわる箇所とデフォルメする箇所が混在していますが、その加減もしっかり美術になっています。

夢の少なからずは不合理、不条理です。
理屈に合わない、有り得ないシチュエーションです。
しかし、夢を見ている本人はそれを疑うことはしません。
ごく普通に、当然のこととして受け止めます。
ここに夢の不可思議さがあり、夢を考える面白さがあります。

夢を意識下の領域とみて、科学的に分析して人間の深い心理を解明する心理学があります。
元祖はフロイトです。
他方で現実と夢の境を曖昧にして、トータルなものとして捉える呪術的な世界観もあります。
多くは現在も未開や辺境の民族に見られる考え方です。

わたし個人は後者に興味があって、現実と夢を縦横無尽に行き来する世界に惹かれます。
ともすれば固定観念に囚われて、硬直した人生を送りがちな近代人に、それこそ夢を与えるような気がするからです。
そう思って倉本さんの作品を見ていると、絵空事ではなくて、人間というものの面白さ、不可思議さを実感させます。

ご高覧よろしくお願い致します。

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会期

2019年1月28日(月)ー2月2日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


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