小島伸幸展
「探査」
KOJIMA Nobuyuki
小島伸幸展の展示風景です。
作品は展示室に3点、小展示室に8点、事務室壁面に1点です。
作品はすべて鉄です。
作品の詳細をご覧下さい。
展示室の作品「 塵の柱 III」でサイズ1200×1140×620mmです。
「 塵の柱 III」の部分です。
展示室の作品「 塵の柱 I」で1260×210×190mmです。
角度を変えての撮影です。
展示室の作品「塵の柱 II」で1870×470×520mmです。
別の角度から撮影した 「塵の柱 II」です。
小展示室の作品「 宇宙の住民 VI」で430×330×180mmです。
小展示室の小品「 探査VI」で390×240×260mmです。
〈作家コメント〉
果てしない宇宙に幼い頃から興味を持っていた。
その気持ちを初めて彫刻として表現してみました。小島さんはコメントにある通り、幼少から宇宙に興味を持っていましたが、わたしも然りです。
1960年代は米ソの宇宙競争の時代で、人々の関心、夢は宇宙に向かっていました。
そんな折、1968年に映画『2001年宇宙の旅』が日本で公開されました。
会場の映画館は奇しくも藍画廊の近くにあったテアトル東京です。
テアトル東京は当時の最新映像システム、シネラマ上映館で、『2001年宇宙の旅』もこの方式で上映されました。
当然小島さんもご覧になっていて、感動されたとのことです。
小島さんの「塵の柱」シリーズ、どこかで見たような記憶があります。
そう、『2001年宇宙の旅』の宇宙船です。
映画は序盤、モノリスの出現でヒトザルが人類へと進化していきます。
その時、ヒトザルは武器にしていた獣の骨を空中に放り投げます。
この骨が次のシーンで宇宙船に変貌します。
木星探索船、ディスカバリー号です。
バックに流れるのはヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」で、映画史上に残る名場面です。
ディスカバリー号は先端が球で、そこから背骨のような長い形状が後尾まで続いています。
小島さんの「塵の柱」シリーズも、基本のカタチは鉄の環が背骨のように連なっています。
しかし小島さんがディスカバリー号をモチーフにしたことは考えられないので、偶然の一致にすぎません。
これは単にわたしの妄想ですが、宇宙を核にした相似は面白いと思いました。
小島さんの作品、どれも鉄の錆が特徴で、複雑な色合いを作っています。
錆は酸化によって起きる現象ですが、時間の堆積、経過も必要です。
小島さんが見た宇宙への夢は、恐らく当初はピカピカの鉄だったと想像します。
それが時間を経て、美しい錆の結晶になりました。
夢は潰えたのではなく、作者の成長と共に熟成し、カタチを表したのです。
幾分の緊張とユルさが混在した、親しみのあるフォルムです。
今回が小島さんの初個展ですが、そのカタチはどのように変化していくのか。
とても興味を覚えた展示でした。
ご高覧よろしくお願い致します。会期
2017年9月11日(月)ー23日(土)
日曜休廊
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内