藍 画 廊


しもかわらさとこ
ーえんとほしー
東北芸術工科大学アートウォーク2017
SIMOKAWARA Satoko


本展は東北芸術工科大学アートウォーク2017の一環として開催されています。
東北芸術工科大学アートウォーク2017は日本橋、京橋、銀座の13の画廊で開かれる同校卒業生の個展です。
昨年に引き続いての2回目の開催となり、藍画廊はしもかわらさとこさんの展示です。
展示風景をご覧下さい。



各壁面ごとの展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
しもかわらさんが記した本展のテキストが掲示されています。

ごあいさつ

本日はしもかわらさとこ展に足をお運び下さいまして本当にありがとうございます。
私は、和紙に線香で穴をあける、焦がす、縫い合わせるといった手法で
自分の記憶や想いを印す作品を制作しています。
今回は人と人とのつながり「えん」をテーマに制作した作品を展示致します。
どうか、時間の許す限りご高覧ください。

えんはつながったりはなれたり
ぐるぐるめぐりながらまたであったり
えんはめぐりめぐる
ほしになったあの人も
きっとどこかでつながっている
たとえ会うことも
はなしをすることができなくても
ずっとずっと
ささやかにてらすほしのひかりのように
やさしくみまもっていたい



正面の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の4点が展示室の展示で、その他小展示室に4点の展示があります。
作品はすべてミクストメディアです。
作品の詳細を御覧ください。



正面壁面の作品です。
タイトル「えんとほし」でサイズ1890×3760です。



作品の部分のクローズアップです。



入口横壁面、左端、中央、右端の作品です。
左は「ほしになったひと (1)」で114×193です。
中央は「ほしになったひと (2)」で114×193です。
右は「ほしになったひと (3)」で114×193です。

<作家コメント>

私は、和紙に線香で穴をあける、焦がす、糸で縫い合わせるといった手法で自分の記憶や想いを印す作品を制作しています。
今回は人と人とのつながり「えん」をテーマに制作した作品を展示致します。ご高覧下さい。

しもかわらさんのメインの作品は、正面壁面の「えんとほし」です。
この作品を展示することを念頭に制作が進められ、展示されました。
思い切ったプラニングですが、その潔さが充分に活かされた個展になっています。

縁(えん)は関係を示す言葉です。
人と人は縁によって結ばれたり、離れたりしながら社会を形作り、日常生活を送っています。
そして縁を最も自覚させられのは、この世の縁が切れた時です。
つまり逆説的ですが、人に死が訪れた時です。
その時に、死者との生前の縁が浮かび上がってきます。

しもかわらさんの作品の「えん」は縁であり、円です。
後者の円は死後とも繋がった「えん」です。
円は循環であり。死と生がサークルになって繰り返されることを意味しています。
「えんとほし」に大きな円が描かれているのは、その所為ではないかと思います。

多数の和紙を染めて、線香で焦がし、穴を開け、糸で繋ぐ。
線香のドローイングをパッチワークするという、独自の手法がしもかわらさんの作品です。
今回の展示で気が付いたことは、東北の「ボロ(BORO) 」との親近性です。
「ボロ(BORO) 」は貧しい時代の生活の知恵で、当時貴重だった綿の布をそれこそボロボロになるまで使い、刺し子で再生し、何代にも渡って衣類や布団として使用したものです。
大量消費社会とは正反対の生活、思想です。

それがしもかわらさんの作品に活かされている。
染めて火でドローイングされた和紙を繋ぎ、人の生と死を繋いでいる。
そしてそれは、大きな環となって宙を描いている。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

2011年藍画廊個展
2014年藍画廊個展

会期

2017年2月20日(月)ー25日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内