新世代への視点2014
カナイサワコ展 「向こう側より/その先へ/可能性の問題」
KANAI Sawako
東京現代美術画廊会議(銀座、京橋地区の10の画廊を中心に発足し、現在は13の画廊)は、1993年より「-画廊からの発言- 新世代への視点」を主催してまいりました。
16回目の開催となる2015年展の藍画廊の展示は、カナイサワコさんの作品です。
画廊の任意の位置から撮影した展示風景をご覧下さい。
作品を1点ずつご覧下さい。
作品は台座に展示された立体作品が9点、壁面に展示された写真作品が3点で、その他小展示室に2点の展示があります。
最初は台座の上の立体作品です。
作品はすべてガラス、アクリル板を使用しています。
タイトル「 ghost♯3」で、サイズ400(H)×400(W)×176(D)mm(台座込み1080)です。
「 ghost♯2」で250×250×76mm(台座込み986)です。
「 ghost♯4」で300×300×40mm(台座込み950)です。
「 ghost♯7」で300×300×113mm(台座込み1023)です。
「 ghost♯9」で400×400×122mm(台座込み1032)です。
「 ghost♯6」で250×250×96mm(台座込み1006)です。
「 ghost♯8」で250×250×80mm(台座込み990)です。
「 ghost♯1」で300×300×89mm(台座込み996)です。
「 ghost♯5」で300×300×200mm(台座込み1110)です。
次は壁面の平面作品です。
作品はすべてインクジェットプリントです。
右壁面、左端の作品です。
「 fog scene♯2」で738×1040×37mmです。
右壁面、中央の作品です。
「fog scene♯3」で738×1040×37mmです。
右壁面、右端の作品です。
「fog scene♯4」で1040×738×37mmです。
入口横壁面の作品です。
「fog scene♯1」で1040×738×37mmです。
〈作家コメント〉
経験や記憶を超えて、妄想は膨らむ。
いくつもの重なりから立ち現れては消えてゆく流動的な風景。
「ここ」にあることと、「どこか」にあること。
心象/記憶と表象/作品の一瞬の交わりから広がる世界/イメージ。
世界/イメージを喚起させるための作品は半透明化する。
同時に自身の身体さえも半透明化させる事が出来れば…と考えている。カナイさんの展示は、立体と平面の二種類の作品から構成されています。
立体は無色透明なグラスやボトルをサンドブラストを使って変形させています。
サンドブラストとはガラスに砂(研磨材)を吹きかけ表面をスリガラスに削る技法です。
グラスやボトルはサンドブラストによって極限まで薄くなり、無数の穴が生じています。
他方、平面作品は写真をインクジェットで出力して制作されています。
写されているのは、プリントされた写真と現実の光景の交錯です。
そこ(撮影現場)に霧を発生させて、ドローイングのような作品に仕上げています。
両者に共通するのは、ここ(現実)とあそこ(異界)の隙間を表出させていることです。
立体の作品タイトルは「ghost」です。
ghost、つまり霊のことですね。
美術とは、見えるものを描くのではなく、見えないものを描く術かもしれません。
現実と異界を繋ぐ、場を生成することかもしれません。
故に、美術家は霊媒師の血を引く仕事とも言えます。
カナイさんの容姿、制作された作品。
どことなく、霊気が漂っています。
その展開された作品空間には、わたしたちが置き去りにした何かが表出しています。
スマートフォンにもタブレットの画面にも、決して現れない何かが。
その人間の本質に関わる何かが、個々の作品の間から立ち上っています。
そのような意味で、カナイさんの展示はオカルト(超自然)であり、極めて現代的(コンテンポラリー)であると思います。
ご高覧よろしくお願い致します。
プライスリスト2008年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
2012年藍画廊個展同時開催 カナイ サワコ 個展
◎7/18(土)〜8/11(土)|Open : 18時〜25時
グリゼット 新宿ゴールデン街
http://grisettegoldengai.blogspot.jp会期
2014年7月20日(月)ー8月1日(土)
日曜休廊
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内