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青木克世展の展示風景です。 左の横長のレリーフ状の作品は、画廊入口から見て正面の壁面に展示されています。 「天象」と題され、サイズは 595(H)×1720(W)×45(D)cm。 右の立体は画廊のほぼ真ん中に設置されています。 題名は「方位角」で、サイズは 2060(H)×480(W)×480(D)cm。 本展の出品作はすべて陶で制作されています。 |
左は画廊入口から見て左側の壁面に展示された作品です。 題名は「回転ドア」。 サイズは、 1470(H)×380(W)×70(D)cm。 画廊内は以上の三点の作品で構成されています。 白く無機質で「現代的」な画廊空間に、「時代的」な装飾や文様を引用した作品が展示されています。 奇妙な同居ですが、画廊で感じる「空気」は新鮮です。 |
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ちょっと長いのですが、本展のために制作されたカタログに掲載されている青木さんの文章を引用いたします。
現在のわたしの表現手段は陶という素材を用い、いくつかの装飾スタイルや文様、又はシンボリックな形態を引用し作品化することを主軸としている。
引用され、作品化される装飾様式や形態は、それぞれに歴史的背景や時代思想、神話や寓話などのストーリー性を孕んでいる。
現代に於けるそれらの存在は憧れやロマンテックなある種の感情や、その過剰さや通俗性からはばかばかしい不毛な感覚や白々しさを、そして一方では静けさや宗教的でさえある畏敬の念を感じさせ、崇拝の対象のようなイメージをも喚起させる。
私はそれらのイメージを引用することによって複雑な現代のある一部の「空気」を表現できるのではないかと考えている。
つまり、私が引用しているいくつかの装飾スタイルや形態が現代において持つ意味は、聖なるものと俗なるものとの両端が同時に含まれ、お互いがお互いの意味を否定しあうかのような不条理性であり、それは私たちの生きる現代という時代のある重要な側面を表していると考える。
そして陶による技法には長きにわたって装飾の歴史の一部を担ってきたという伝統があり、更に物質的な素材感が醸し出す繊細さや危うい緊張感が私のコンセプトを上手く表現する力になり得ると考えている。
(原文は改行がありませんが、Web上での読みやすさを考慮して改行させていただきました。)
装飾的な様式は近代において無用と判断され、機能美と合理性がそれにとってかわりました。
近代がいきづまった時、ポストモダンというスタイルが出現しました。
所謂、様式の引用ですね。
街にピアミッドの形態を引用した建築が溢れているのは、その後遺症です。
青木さんの作品が、それらと大きく異なっているのは精神性の問題です。
青木さんの視点は、陳腐になった装飾や文様が秘めているその精神性にあります。
聖と俗が入り交じったそれらの様式は、思いもよらぬ深みにわたし達を誘う時さえあります。
その危うさを、陶という素材で表現したのは正解だと思います。
陶も人間も、脆(もろ)くて危うい存在ですから。
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左は道路側ウィンドウに展示された作品です。 「頭句」と題され、サイズは、 530(H)×3100(W)×18(D)cm。 画廊内の作品と比べると小振りな作品です。 絡み合った文様を観ていると、遠い昔に忘れてきた何かを、思い出すような気がしてきました。 ご高覧よろしくお願いいたします。 |
2002年5月13日(月)-18日(土)
11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内
青木克世展はマキイマサルファインアーツ・Sで同時開催されています。
「-幕間劇-青木克世展」 2002年5月13日(月)〜25日(土)
11:00am-19:00pm (最終日5:00pm) 日曜休廊
マキイマサルファインアーツ・S
東京都港区新橋1-9-2 新一ビル別館2階
(JR新橋駅銀座口下車徒歩5分、地下鉄銀座線新橋駅1番出口下車徒歩2分)
TEL03-3569-7227
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