藍 画 廊
藍 画 廊
小山一馬展
〜身を、守る〜
KOYAMA Kazuma
小山一馬展の展示風景です。
各壁面ごとの展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、タイトル「~これから、身を、守る~（何だか心配なので、これから、対策)」でサイズ85.0(H)×40.0(W)×30.0(D)cm、「~空気から、身を、守る~(主に、インフルエンザ対策)」で85.0×40.0×50.0です。
正面の壁面です。
「~鳥から、身を、守る~(主に、ハト、カラス対策)」で110.0×70.0×45.0です。
右側の壁面です。
左から、「~環境破壊から、身を、守る~(主に、酸性雨対策 ドングリマシーン 10 号最終形態)」で85.0×40.0×50.0、「~虫から、身を、守る~(主に、ハエ、カ、ゴキブリ対策)」で120.0×70.0×70.0です。
入口横の壁面です。
「~地震から、身を、守る~(主に、首都直下地震対策)」で90.0×40.0×45.0です。
以上の6点が展示室の展示で、その他小展示室に2点の展示があります。
展示室の作品はすべてダンボールと接着剤を使用しています。
左壁面の「~これから、身を、守る~（何だか心配なので、これから、対策)」です。
ダンボールを貼り合わせて上半身の人体を形作っています。
ダンボールとダンボールの間の黒い線は接着剤です。
この作品はタイトル通り、これから予測される事態に対して頭をめぐらせている状態です。
胸にはその為のチェックマークが用意されています。
同じく左壁面の「~空気から、身を、守る~(主に、インフルエンザ対策)」です。
インフルエンザに対応した呼吸器を付けた人です。
各種フィルターでウィルスを除去し、安全な空気だけを取り込むようになっています。
作品の色の部分はカラーのダンボールをカットして貼り合わせています。
外資系のスーパーマーケットに行くと、このようなカラフルなダンボールがあるそうです。
正面壁面の「~鳥から、身を、守る~(主に、ハト、カラス対策)」です。
ハトは糞害、カラスはゴミあさりで迷惑を被っていますね。
その対策として、まず天敵である鷹をシンボライズした仕様になっています。
鳥が嫌がる強い反射物（ミラー）や大きく見開いた眼など細部にも気が配れています。
下部にぶら下がっているのはカラスの死骸です。
これはカラスに恐怖心を呼び起こすためのものです。
右側壁面の「~環境破壊から、身を、守る~(主に、酸性雨対策 ドングリマシーン 10 号最終形態)」です。
酸性雨に対応したドングリマシーンで、ドングリがマシーンの先端から出てきます。
ドングリマシーンとは、小山さんが以前から作り続けているドングリ製造マシーンです。
同じく右壁面の「~虫から、身を、守る~(主に、ハエ、カ、ゴキブリ対策)」です。
虫対策としてビッグな虫を頭の上にもってきました。
これなら小さな虫は怯えること間違いなしです。
胸の「64」は「ムシ」というダジャレです。
入口横壁面の「~地震から、身を、守る~(主に、首都直下地震対策)」です。
頭の両側にはオスプレイのようなローターがあります。
地震には飛行が有効との考えで、全体をヘリのような形に仕上げています。
頭部は鶏（飛べない鳥）がモチーフになっていて、人間へのアイロニーが表現されています。
〈作家コメント〉
～身を、守る～
今の世の中危険で心配な事ばかり。
目に見えない恐怖やいつ襲ってくるか分からない驚異から、自分の身は自分で守らなくてはいけません。
作品は過剰に反応し防衛防護した結果異様滑稽に見えてしまう様を表しています。
素材、コンセプト、技術。
ダンボールという日常的な素材。
戯画化されたコンセプトの面白さ。
必要にして十分な技術。
小山さんの作品のどれもが、美術を親しみのあるものにしています。
楽しい作品です。
使っているのはダンボールと接着剤だけ。
文字や数字もダンボールに書かれていたものをカットして貼り合わせています。
その工夫が美術、工作の楽しさを伝えています。
心配のあまり、つい過剰に防衛してしまう人間。
それを幾分マンガチックに表現していますが、あながち大げさでもありません。
これらに類するような商品が実際にあるからです。
心配も程々にしておかないと、人間は孤立してしまいます。
戯画化された人物像はそれが真面目であればあるほど滑稽です。
ここで必要なのは柔軟な発想、考えです。
硬直した大人の頭ではなく、しなやかな子供の思考です。
小山さんの作品には、そういった子供の視点、批評性が含まれています。
ご高覧よろしくお願い致します。
会期
2013年1月21日（月）ー1月26日（土）
11:30amー7:00pm（最終日6:00pm）
