藍 画 廊



神山一美展
 KAMIYAMA Kazumi


神山一美展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、タイトル「葉音1」、「葉音2」、「葉音3」、「葉音4」で、サイズは共通で120(H)×60(W)cmです。



正面の壁面です。
左から「みなも」、「森にさく花」、「啓蟄」で、サイズは共通で90.9×227.3です。



右側の壁面です。
4枚一組の作品「あめつち」で162×130.3×4 枚です。



入口横の壁面です。
「drawing」で39.5×54.8×15 枚です。

以上の9点が展示室の展示で、その他小展示室に6点、事務室壁面に3点の展示があります。
作品は和紙・岩絵具・墨・箔を使用、「drawing」は水彩紙・色鉛筆・顔彩・水彩を使用しています。



左壁面の「葉音2」と「葉音4」です。
葉音は「はおと」と読み、葉が触れ合って生じる音のことです。
作品もタイトルから連想させられるような、しなやかな植物のイメージを発しています。
そして全体に、漂うような水を感じさせます。



正面壁面の「森にさく花」と「啓蟄」です。
生命の輝きと、春の芽吹きが、色彩と、緻密でしかも大胆な図で表されています。



右側壁面全体を使用した4枚組の大作、「あめつち」です。
会場の壁面に神山さんの本展に対するコメント(メッセージ)が貼付されています。
作品に対する考えが的確に表現されていますので、以下に転載いたします。

大きな地震と津波にあわれた皆様、
心よりお見舞い申し上げます。


地球が丸いのは、液体だからだ、
という話しを聞いたことがあります。

この美しい丸さが、液体ゆえのものだとしたら、
いつ崩れるかもしれない、薄い殻のような場所で、
それを意識することもなく、日々を過ごしているだと
言えるのかもしれません。

それぞれにとっての、
つかの間の時間。

光や水が、空から降り注ぎ、
地から、植物たちが、空へと向かう。

光、水、土、植物、人
それぞれの生死は、
何ひとつ、失われることなく、
様々に変化しながら、循環している。

大きな水の一粒の上で。



入口横壁面の「drawing」の2点です。



神山さんの作品の成り立ちは、転載したコメントにすべて語られています。
そして、作品はその考えを自由自在に展開しながら、あるときは楽しみながら、あるときは苦しみながら、描かれています。

神山さんは日常的に植物のスケッチをしているそうです。
それをドローイングに昇華したのが15枚の「drawing」です。
そして、そこから絵は作り始められます。
ドローイングの構造を基にして、それを絵画に発展させていくのです。

しかし途中で、ドローイングに、あるいは植物のスケッチに立ち戻ります。
絵はその往復で、一際重層なイメージを形成していきます。
溢れんばかりのイメージの重なり合いは、そういったプロセスから生まれてくるのでしょう。

画廊は神山さんの絵画とドローイングで埋め尽くされています。
そこで感じるのは、生命の輝きと、水に象徴される循環の構図です。
わたしたちの生と死が、その環境と一体となって、常に動いている様子です。
その動きは力強く、しかも、優美です。
そして一つ一つの生命や物質が有機的に結びついていて、複雑な体系を形作っています。

神山さんの絵は、頭で構築されたものとは遠いところにあります。
まずは、対象(植物)を視覚で捉えて、身体で感じて、導き出された絵だと思います。
その原点に常に立ち戻りながら、動き(リズム)を画面に与え続けています。
その一見錯綜しているように見える画面は、線の躍動が、生命の発露を描いています。
色彩はその線に呼応して、同調し、又、反発しています。

「大きな水の一粒の上で」、わたしたちは生きています。
展覧会全体が、そのことを表しています。

ご高覧よろしくお願い致します。


会期

2011年3月28日(月)-4月2日(土)

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内