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藍 画 廊



井崎聖子展
共振-resonance-
IZAKI Masako


井崎聖子展の展示風景です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、作品タイトル「R-10.5」で、作品サイズ100.0(H)×80.5(W)cm、「R-10.2-circle」で80.5×100.0、「R-10.1」で100.0×100.0です。



正面の壁面です。
「R-10.6」で130.5×194.5です。



右の壁面の作品です。
左から、「R-white-09.1」で65.5×65.5、「R-10.7」で162.0×130.5です。



入口横の壁面の作品です。
3点の連作で、「R-10.4-abc」で各73.0×61.0です。

以上の7点が展示室の展示で、その他小展示室に3点、事務室壁面に1点の展示があります。
作品はすべてキャンバスに油彩です。



左壁面の「R-10.5」です。
井崎さんの作品は絵画ですが、基本的に描(か)くというよりは、刷毛や筆による引く(塗る)という作業の繰り返しです。
刷毛で丹念に何回も何回も絵の具を引く作業を続けます。
円を描いたような作品は画面の中心から外に向かって、刷毛で引き続けます。



同じく左壁面の「R-10.2-circle」です。
少し斜めから撮影してみました。
井崎さんの作品は、一点に三ヶ月ほどを要するそうです。
丁寧に丁寧に、絵の具を引く作業を毎日続けて、絵を完成させていきます。



正面壁面の大作「R-10.6」です。

この展覧会のサブタイトルは共振-resonance-について、井崎さんのコメントが作品ファイルに掲載されていますので、以下に転載させていただきます。

共振-resonance-
「余白」という空間を描く。
描き込むほどに、「余白」はキャンバスの外へ、奥へと拡がり、入り込む。
同時に周りの空気もキャンバスに流れ込んでいくかのようだ。
キャンバスの中央に出来る、空漠とした空間は、空気を取り込み共振しながら広がり続ける。



左壁面の「R-white-09.1」です。
個人的には最も好きな作品で、中心と周りの円の色彩が例えようもないくらい美しい。
この画像では(他の作品画像もそうですが)、井崎さんの作品の、色彩の微妙な変化と色合いをお伝えできないのが残念です。
画廊で是非ご覧いただきたく思います。



最後は小展示室に展示された「R-10.3-line」(80.5×100.0)です。
描かれたカタチは違いますが、同じ技法を使っています。


井崎聖子さんの作品には絵の具が二色しか使われていません。
白ともう一色です。
ですから画面はほとんどモノクロームなのですが、逆に、色彩を強く感じます。
その色彩の在り方は、とても微妙に輝いています。
その輝きが何とも美しく、作品に費やされた時間を反映しています。

井崎さんのコメントにもある通り、作品の画面の中央は空漠とした空間です。
しかしこの空間は、文字通りの空漠ではありません。
そうではなくて、逆に、すべての存在が存在する基盤のようなものを意味してます。
それをもし言葉で言い表すとしたら、生命という語彙が思い浮かびます。

生命(いのち)は、生命そのものがあるわけではありません。
多くの身体部位と環境で、生命は成り立っています。
その相互作用で生命という運動は続いていきます。
ですから、生命には確固たる場所はなくて、運動する空間があるだけです。

井崎さんの作品はなぜ輝いているか。
それは、井崎さん自身が輝いているからです。
その生命が、輝いているからです。
共振とは、その輝き(運動する空間)の別名ではないかと思いました。

ご高覧よろしくお願いいたします。

会期

2010年3月29日(月)-4月3日(土)


11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内