藍 画 廊



松田麗香展
MATSUDA Reika


松田麗香展の展示風景です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から作品タイトル「そこにある それもまた 29」で、作品サイズ116.7(H) × 90.9 (W)cm( F50 )、「そこにある それもまた 32」で22.7 × 15.8 ( SM )、「そこにある それもまた 37」で22.7 × 15.8 ( SM )、「そこにある それもまた 22」で27.3 × 40.9 ( P6 )、「そこにある それもまた 25」で22.7 × 15.8 ( SM )、「そこにある それもまた 33」で17.9 × 13.9( F0 )です。



正面の壁面です。
「そこにある それもまた 28」で116.7 × 116.7 ( S50 )です。



右側の壁面です。
左から、「そこにある それもまた 40」(上)で45.5 × 27.3 ( M8 )、「そこにある それもまた 41」(下)で45.5 × 27.3 ( M8 )、「そこにある それもまた 38」で145.5 × 97.0 ( P80 )、「そこにある それもまた 30」で40.9 × 40.9 ( S6 )、「そこにある それもまた 23」で40.9 × 40.9 ( S6 )、「そこにある それもまた 31」で40.9 × 40.9 ( S6 )、「そこにある それもまた 43」で17.9 × 13.9 ( F0 )です。



入口横の壁面です。
左から、「そこにある それもまた 39」で53.0 × 33.3 ( M10 )、「そこにある それもまた 27」で72.7 × 72.7 ( F20 )です。

以上の17点が展示室の展示で、その他小展示室に4点、事務室壁面に1点の展示があります。
作品はパネル、雲肌麻紙、岩絵の具を使用しています。



左壁面の 「そこにある それもまた 29」です。
今までの松田さんの絵画にはなかった、ビビッドな色合いの作品です。



左壁面の 「そこにある それもまた 32」と「そこにある それもまた 37」です。
松田さんの藍画廊個展も三回目ですが、改めて松田さんの絵画の特色を説明いたします。
絵画は無数のリングの連鎖で成立っています。
大きさも色も違うリングの連鎖が重なりあって、一つの平面を構成しています。
例えば上の左の作品をクローズアップしてみましょう。



この様に、白、黒、緑、青などの、大きさの異なるリングの連鎖が描かれています。
リングの連鎖の大きさが、大と小では極端に違うので、一見そうは見えないのですが、よく見ればすべてリングの連鎖です。
独特の発色や透明度は、雲肌麻紙と岩絵の具の使用に拠ると思います。



同じく左壁面の 「そこにある それもまた 22」と「そこにある それもまた 25」です。
両作品とも、松田さんらしい重なり具合が美しい、紋様(文様)のような作品です。
右のモノクロームに近い作品は、リングの大きさの極端な違いが、とても面白い効果を生んでいます。



正面壁面の「そこにある それもまた 28」です。
多種多様な色と大きさのリングが、アラベスクや万華鏡のように組み合わされた作品。
そばに近寄って見ると、その宇宙的な構造に驚きます。
画廊で直(じか)に必見です。



右壁面の「そこにある それもまた 38」です。
黒とグレーが基調ですが、背景になっている紫と赤がシックですね。



右壁面と入口横壁面の対照的な色合いの作品2点です。
これらも、すべてリングの連鎖で描かれています。



個人的には最も好きな入口横壁面の「そこにある それもまた 27」です。
中央の大きなリングと小さな小さな白い無数のリングとの対比、その背景の緑や青のリング。
それらが一体となって、松田さんしか描けない絵画になっています。



最後はボーナストラック(?)で、小展示室と事務室壁面の作品です。
これらの小品も是非ご覧下さい。



前回の個展作品と比べると、作品の表情に変化が見られます。
細かなリングの連鎖=ストライプが隙間なく描かれていた前回とは異なり、作品によっては空白を作っています。
色合いにも思い切った変化があります。
これは大胆な冒険ともいえますが、その志は良しです。

しかし、(その変化の効果も含めて)リングの連鎖でこれだけ多彩な表現を達成していることに、改めて驚きました。
これは生半可な想像力では不可能です。
やはり、並外れた何かが生んだものでしょう。

リング(輪)が繋がるのは、関係です。
その関係が重層的に、大きさも色も異なって、一つの画面に展開されています。
松田さんの絵画を言葉で説明するとそうなりますが、実際に見ると、そういう理屈が飛んでしまいます。
そこにあるのは絵画の宇宙で、関係(連鎖)の重なりに気が遠くなってしまいます。
しかも最初から見る者の気を遠くさせようとする絵画ではなく、ただあるのは平然とした絵画です。
そこが、凄いところです。

単純な繰り返しが平然と繰り広げられていて、それでいて、絵画は宇宙で気が遠くなる。
気が遠くなった末に見えてくるのは、世界の関係の複雑さと美しさです。
その無限とも思える構造の、何かです。

ご高覧よろしくお願いいたします。

2007年藍画廊個展
2008年藍画廊個展

作家Webサイト



会期

2009年9月21日(月)-9月26日(土)

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内