下嶋知子展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
左から、作品タイトル「Grell punkt:」で、作品サイズ530(H)×530(W)mm、
「Grell punkt:」で、910×727mm、「untitled」で、240×240mm、「Grell punkt:」で、910×727mmです。
作品はカンヴァスに油彩です。
入口横右の壁面です。
左上から下に向かって四点、作品タイトル「 clouday day」、「clouday day」、「untitled」、「clouday day」。
右上から下の向かって三点、「untitled」、「 clouday day」、「clouday day」。
サイズはすべて182×257mmで、紙に油彩です。
左の壁面です。
左から、「Grell punkt:」で、240×240mm、「Grell punkt:」で、1000×803mm、「untitled」で、273×220mmです。
作品はカンヴァスに油彩です。
以上の14点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに1点、芳名帳スペースに2点の展示があります。
左壁面中央の 「Grell punkt:」です。
風景に見えます。
水面に映った林に見えたので、作者の下嶋(さげしま)さんに訊いてみました。
マンションの五階から見た景色で、陽の光と樹木を描いたそうです。
しかし、どのように見えるかは自由で、わたしの見方で良いそうです。
同じく左壁面の右の 「untitled」です。
本展の多くを占める「Grell punkt:」シリーズとは若干雰囲気が異なる、シットリとした描画の小品です。
これは水面を描いたものです。
正面壁面左の「Grell punkt:」です。
樹木の向うから、溢れるような陽光が降り注いでいます。
その有り様は、樹木が揺れているかのようです。
同じく正面壁面右の「Grell punkt:」です。
樹木を通してレンズに映った(?)圧倒的な陽の光、に見えます。
単純化、省略した描法ですが、写真的な視点にも似ています。
広角、魚眼の視点です。
右壁面左の 「untitled」です。
同じテーマですが、色相と描法が異なっています。
右壁面右の「Grell punkt:」です。
陽の光が、生命の源であることを見せつけるような、パワフルな絵画です。
眼だけでなく、全身に浴びせてくるような、光の絵です。
入口横右壁面の作品です。
「Grell punkt:」シリーズの以前に描かれたもので、ドローイング(線描)の作品です。
洋服の襞や野菜がモチーフになっていて、「Grell punkt:」シリーズとは一味違う面白さがあります。
下嶋さんの絵画は無駄がなく、端正ですが、見る者を圧倒するような力があります。
それは筆力というより、描かれた光の在り方にあります。
つまり、光をどのように見ているか(感じているか)という視点の問題です。
そこが確かで、それを余すことなく描写している筆力は、その後にきています。
宗教的ともいえる、光を真正面から描いた絵画。
ユニークなのは、メディア(レンズなどの)を通過させたかのような、クールな佇まいが同居していることです。
それでいて、描かれた物のパワーは落ちていません。
いや却って、そのリアリティと深度は増しています。
光とは何か。
光とは波動であり、粒子です。
下嶋さんの絵画には、それが理屈ではなく、実感として伝わってきます。
そこに、万物の源があることが・・・・。
ご高覧よろしくお願い致します。
会期
2008年10月13日(月)-10月18日(土)
11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内