齋藤卓展の会場風景です。
画廊入口から見て、左側の壁から右側の壁に銅線を編んだものが渡されています。
長さは4m60cmあります。
20mの銅線9本を編んでこの形状になっています。
もうちょっと詳しく説明します。
下の画像をご覧下さい。
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まず、銅線は3本づつ三つ編みにされます。
三つ編みされた3本は任意の長さでクロスされます。
その時、三つ編みされる銅線の組み合わせが変わります。
9本の銅線ですから、仮にA,B,C,D,E,F,G,H,Iと名付けますと、最初はABCの組み合わせで三つ編みされます。
クロスさせたときに、その組み合わせはADGに変わります。
その次のクロス(結び目)でも組み合わせは変わります。
それを繰り返すことによって全体の強度が保たれています。
ちょっと説明がややこしかったかもしれません。
要するに、この作品は三つ編みされた銅線が任意の長さで結ばれ、それが連続されることで成り立っています。
全体で観ると、それが波動のように見えます。
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作品は、もう一点あります。 道路側入口の前に輪がぶら下がっているのがお分かりでしょうか? |
これです。 こちらは、アルミ線を使用しています。 サイズは12(H)×10(W)×10(D)cm。 上の作品のタイトルは、「線」。 これは、「点」。 風でゆらゆら揺れています。 つまり、画廊の四角い空間に浮遊する「線」と「点」を配したのが今回の展覧会です。 |
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齋藤さんの前回までの作品は、カラフルな針金を編んだ作品でした。
形も、丸かったり、細長かったり、平面的であったり、バラエティに富んでいました。
今回はくすんだ色合いの素材をシンプルに使って、緊張感と浮遊感を表出させています。
(銅線は酸化させて彩度を落としています。)
編むという行為は、考えてみると面白いものです。
単独ではあり得ない形に、編みこまれたものは変化していきます。
それが連続すると、そこに又違う表情が見えてきます。
空間にそれらが置かれたとき、その空間も又変容します。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2001年9月17日(月)-22日(土)
11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内
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