伊藤雅恵展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
左から、作品タイトル「シェルター 1027」で、作品サイズ80(H)×100(W)cm、
「ヒートモンスター」で、163×130cmです。
入口横右の壁面です。
「マザーポット 909」で、46×53cmです。
左側の壁面です。
「サムシング ブルーミング 806」で、194×194cmです。
以上四点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに一点の展示があります。
作品はすべて綿布に油彩を使用しています 。
左壁面の大作「サムシング ブルーミング」です。
抜けるような青空に、色彩が乱舞しています。
万華鏡(カレイドスコープ)のようですね。
正面壁面の「シェルター 1027」です。
キッチンの窓際からの風景と思われますが、向こう側はサイケデリック。
乱舞している色彩は、花と緑でしょうか。
右側壁面の「ヒートモンスター」です。
よ〜く見てみると、画面中央にあるのは自転車です。
その右は建物で、自転車は立て掛けられている感じです。
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入口横右壁面の「マザーポット 909」です。 展示作品の中では一番オーソドックスな描写の作品で、花とポット(鉢)が描かれています。 |
本展のサブタイトルは「ラインのむこうのギャラクシー」です。
ギャラクシーとは銀河のことです。
では、ラインはどこに引かれているのでしょうか。
それは、内と外の間ではないでしょうか。
例えば、正面壁面の「シェルター 1027」ではキッチンの窓がラインです。
キッチンは内で、窓のむこうは外です。
つまり、自身の内側の風景と外側の風景の間にラインがあります。
シェルター(隠れ家)は、光を遮って生活を営む場所です。
むこうがわは、光に溢れた場所で、作家の眼はそちらに向いています。
光に溢れた場所は、「自然」と言い換えても差し支えないと思います。
左壁面の「サムシング ブルーミング」を見ていると、古(いにしえ)の宗教画を連想させます。
極限でトランス状態に入った(宗教の)修行者が見る光景を連想させます。
いずれも、自然や宇宙(銀河)の本質を示唆するものです。
画家の描く行為は、見るという行為の結果です。
対象を見続け、その本質を把握していないと、描くことはできません。
伊藤さんが「サムシング ブルーミング」で見続けたのは何だったのでしょうか。
わたしは、生命(いのち)のような気がします。
光が自然に生命を吹き込み、輝きを与える。
その神秘が、描かれていると思います。
ご高覧よろしくお願い致します。