中澤豊水展の展示風景です。
作品を壁面ごとにご案内いたします。
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画廊入口から見て、正面の壁面です。 左から、タイトル「星・空間(仮題)」で、 サイズは65×65cm。 同じく「星・空間(仮題)」で、100×81cm。 「球状星団」で、61×61cmです。 |
右側と入口横右の壁面です。 左は「five colors」で、25×25cm。 右は「銀河群」で、114×93cmです。 |
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左側の壁面です。 「共振する星たち」で、162×114cmです。 以上の六点が画廊内の展示です。 この他、道路側ウィンドウに一点の展示があります。 作品はすべてキャンバスに油彩です。 |
中澤さんの前回藍画廊の展示は、ハッブル望遠鏡で映し出した宇宙の画像を基にしたものでした。
長方形の色のピースをモザイク状に並べたものです。
今回もその方法論で描かれた作品が左側壁面に展示されています
画廊で実際に(通常の距離で)作品と対面するとこのようには見えません。
長方形の色のピースが並んでいるだけです。
離れて見ると、このような「渾沌としたカオス状態の宇宙」が現れます。
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正面の連作三点です。
こちらも宇宙像ですが、上の作品と比べると具体的で、誰もが浮かべるであろう宇宙のイメージです。
しかしこの作品をよく見てみると、ちょっと奇妙な感じを受けます。
あまりにも整然と星が並んでいるからです。
中澤さんにお話しを聞いてみました。
これらは実際の宇宙像ではないそうです。
キャンパスのある一点を基点に決めて、そこから幾つかの法則で星を増やしていくそうです。
一つの法則で星を増やした後、次の法則の位置を決めるのは中澤さんの任意の感覚です。
ですから、基点を同一にしても同じ絵にはなりません。
お話を聞いていて印象に残ったのは、作品の喩えとして竜安寺の石庭をあげたことです。
竜安寺の石庭は宇宙の像を具体として表現したものです。
中澤さんの目指しているのは、そのような具体としての宇宙の像を描くことです。
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右側壁面の小品です。 モザイク状の作品を制作するきっかけとなった作品で、今回の展示では最も初期の作品です。 シンプルでありながら豊かな表現が為されていて、個人的に好きな作品です。 |
「科学」と「宇宙のロマン」に似て非なる、中澤さんの営み。
どこまで行くのでしょう。
楽しみです。
ご高覧よろしくお願いいたします。