有本一美展の展示風景です。
前回同様、通常よりも高い位置に作品が展示されています。
作品を見上げる感じですが、高さのある藍画廊の空間を意識した展示です。
ちょっと高い位置にある窓を眺めるような様子で、いつもより画廊が広々と感じます。
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画廊入口から見て、正面の壁面です。
左から、サイズ40.9×31.8cm、
33.3×24.2cmです。
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右側の壁面と入口横右の壁面です。
左から、72.7×60.6cm、
40.9×31.8cmです。
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左側の壁面です。
左から、22.7×15.8cm、
72.7×60.6cmです。
画廊内の展示は以上の六点で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに一点の展示があります。
作品はすべてキャンバスに油彩です。
左側壁面の作品です。
有本さんの作品の要素を大きく分けると三つになります。
地とドット(点)とストローク(線)です。
この三つが不可分に結びついて、一つの世界を構成しています。
地は青系と黄赤系と紫系に分類でき、おおよそ天上と地上と下界を意味しています。
ドットは、喩えてみれば生命体(エネルギー)の運動です。
ストロークは自身の動きです。
作品を観ていると、ドットの密度の濃い部分が白い格子模様を作っています。
有本さんに尋ねると、教会や聖堂の窓のようなものをイメージしているそうです。
つまり、鑑賞者は画廊という一つの部屋で、高窓から見える風景を眺めている感じに近いかもしれません。
何もない部屋の六つの高窓。
そこから何が見えるのでしょうか。
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黄赤系の作品(正面右)です。 前回に比べると作品サイズが大きくなり、ドットも密度も濃くなりました。 そして、三つの要素の結びつきが強くなって、その世界の深度が一層増しています。 高い窓から見える世界、それは「宙(そら)」ではないでしょうか。 ご高覧よろしくお願いいたします。 |