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藍 画 廊

まずは、下の画像です。

派手な意匠の店舗（？）、あるいは事務所でしょうか。
通りに面したガラスすべてにピンクの透明シートが貼られています。
左側にビルの入口がありますね。
入口上のガラスには「新京橋ビル」と書かれています。
そうなんです、このピンクハウスは「藍画廊」なのです。
ガラス戸の左一枚が事務所で、後の三枚が展示スペースになっています。
（この通りからの出入口はいわば裏口で、ビル内に正式の入口があります。展覧会によってはこのガラス戸は閉切りになります。）

もちろん普段の藍画廊は透明なガラスですから、こんなに派手ではありません。
今回の展覧会の作家である和田みつひとさんが貼ったのです。

上は事務所と画廊スペース（展示スペース）の境を撮ったものです。
でもいつもと雰囲気が違いますね。
事務所が空っぽです！

事務所のガラス戸を開けてみました。
何もないですね〜。
あのいつものゴタゴタした事務所に何もない。
備え付けのテーブルと本棚と蛍光灯だけが、残っています。
しかも、蛍光灯はピンクです。
どうしてこんなことに・・・・。

さて、こちらは展示スペースです。
事務所の備品や資料がすべてこっちに移ってます。
そうか、そうか、事務所の大掃除で一時的にこちらに移したんですね。
違う？
違うんですか？
これが展覧会、ですか。

和田さんの展覧会のタイトルは［re-place］。
なるほど、展示スペースと事務所を入れ替えたんですね。
入れ替えたことによって、その場所の意味を問い直す試みなのですね。

ここで和田さんが記した本展のテキストを部分引用してみます。

今回の展示では、画廊の事務所と展示室、その場所のヒトとモノをまるごと入れ替え（replace）ます。事務所
の備品や事務所内に展示されている他の作家の小品を含め、事務所の機能を全て展示室へと移動させます。そし
て、照明を赤く設え、外と隔てるガラス戸にはピンクの透明シートを貼り、事務所を含めた全室内を「ピンク色
の光が充満する空間」へと再構成します。いつもの場所でありながら、いつも見慣れた光景とは違う場所へと変
容させます。

そういうことだったんですね。

「ピンクの光が充満する空間」である、展示スペースのショットです。
いつもご覧いただいている方にはお馴染のアングルですね。
通常はドアを挟んで左右の壁面に作品が展示されています。
今回も小品が展示されていますが、これは事務所に展示している常設の作品です。
ちなみに、左の白い正方形のレリーフは黒須信雄さんの作品、右上の立体は吉田哲也さんの作品です。

もう一枚、展示スペースのショットです。

左側の壁面と正面の壁面です。
しかしまぁ、あの狭い事務所スペースによくこれだけのモノが詰まっていたものですね。
感心します。
（展覧会が終って元に戻るとき、果たしてキチンと収納されるのでしょうか。他人事ながら心配です。）

ピンクサロン（？）のようになってしまった現事務所ですが、スタッフはここで仕事をするのでしょうか。
するんですね、会期中はず〜と。
これも和田さんの謀（はかりごと）なんです。

ここでは、対象としての作品を見るということよりも展示によって変容された場所を経験すること。さらに言え
ば、実際の展示空間だけではなく、制作に従事するスタッフ・展示ボランティア・会場となる画廊など様々な立
場の人を巻き込み、展覧会として立ち上げる過程をも作品として展開させます。ここで言う作品とは、各メディ
アに立ち現れる展覧会の情報まで含め、制作発表の過程とその行為の全てなのです。
この作品は、ただ当たり前にあるわけではない「私たち自身」と「現在」への問いかけでありたい。私たちは
「現在」を感じ取ると同時に、「現在」をも作りだすのですから。

再び和田さんのテキストの部分引用です。
この作品を観るには、この作品の中に入るしかないと思います。
変容された展示スペースと事務所に入って、その場所の意味をあれこれ考える。
そしてそこで考えているわたし/貴方も作品の内側になっているのを、経験するしかないと思います。

御高覧よろしくお願いいたします。

展覧会Webページ
http://kawaguchi.site.ne.jp/re-place/

協賛：（株）中川ケミカル
協力：ART BY XEROX（富士ゼロックス株式会社）、アサヒビール（株）、藍画廊、
　　　　特定非営利活動法人NPO芸術資源開発機構（ARDA）
制作協力（マネージメント）：mhR（村田早苗）
主催、企画責任：和田みつひと

【イベント情報】6月27日（金）19：00〜
＜ARDAリレートーク＞「倉品みき子と藍画廊」
主催：特定非営利活動法人NPO芸術資源開発機構（ARDA）
参加費：非会員￥300／会員無料［ビール等飲み物付き］

会期

2003年6月23日（月）-28日（土）


11：30am-7：00pm（最終日6：00pm）

会場案内



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