iGallery DC



勝俣喜一展
KATSUMATA Kiichi


勝俣喜一展の展示風景です。



画廊入口から見て左側から壁面別に作品をご覧下さい。


左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。

以上の6点で勝俣喜一展は構成されています。
それでは作品を一点づつご紹介致します。



左側壁面の作品です。
タイトル「 振幅#9」で、サイズ810(H)×560(W)cm、ワトソン紙、鉛筆、ペンを使用しています。



正面壁面の作品です。
「 振幅#14」で、サイズ1025×620cm、ワトソン紙、鉛筆、ペンを使用しています。



右壁面左端の作品です。
「 振幅#13」で、サイズ1010×700cm 、ワトソン紙、鉛筆、ペンを使用しています。



右壁面左から2番目の作品です。
「 振幅#11」で、サイズ1020×430cm、ワトソン紙、鉛筆、ペンを使用しています。



右壁面左から3番目の作品です。
「 振幅#10」で、サイズ810×570cm 、ワトソン紙、鉛筆、ペンを使用しています。



右壁面右端の作品です。
「 振幅#12」で、サイズ790×550cm 、ワトソン紙、鉛筆、ペンを使用しています。



勝俣喜一さんの作品は、ワトソン紙に鉛筆とペンを使用したドローイングです。
一見すると、その多くを占める鉛筆の描画がどのように為されているのかわかりません。
細かい線の積み重ねで層を作り、パースを形成しながら制作が進んでいきます。
作品の部分のクローズアップをご覧下さい。



如何ですか、その繊細な鉛筆の線の集積と律動に驚きを禁じ得ません。
わたしが勝俣さんの作品を最初に拝見したのは、昨年のプラクシスという展覧会です。
この展覧会は甲府在住の美術家高橋辰雄さんが主宰する現代美術グループの展覧会です。
会場は山梨県立美術館の展示室。

その会場に、いわばひっそりと勝俣さんの作品は展示されていました。
しかしその作品のオリジナリティと、内包する作品世界は異彩を放っていました。
モノクロームの線だけで構成されたドローイング。
額装もされず、そっけないように美術館の壁面に貼付されただけの作品。
しかしながら、その作品は足を止めさせるのに充分な何かを持っていました。

勝俣さんに訊ねてみました。
人間が心の中に持っている、不安、孤独などがモチーフになっているそうです。
それを吐き出すように、9種類(!)の堅さの鉛筆で、細かな描写を積み重ねていきます。
そしてそれがある時点に達すると、不安や孤独は逆転して、画面に解放感が表出してきます。
又、そこまで辛抱強く描き続けること、そのことが自己の解放にも繋がっていくと勝俣さんは考えています。

暗いようで、明るい画面。
弱いようで、強い画面。
不安定のようで、安定している画面。
鉛筆というありふれた素材の、可能性の極限を見るような、線の振るえと幅。
最後に力強く降り下ろされる太いペンの軌跡。
抽象というありきたりな概念にも収まりきらない、独自な画面構成。
勝俣さんは、わたしたちを深い世界に誘(いざな)います。
そのシンプルな素材が紡ぎだしたとは思えない、深淵で安らかな世界へ。

今回の展覧会に寄せて、プラクシスの高橋辰雄さんに一文をお願いいたしました。
直ぐに快諾していただき、その後体調を崩されたにもかかわらず、病室でこの文章を書き上げていただいた高橋さんには、この場を借りて御礼申し上げます。

勝俣喜一展に寄せて

孤独な眼が見つめるもの
Floating feelings toward Ecstacy

見つめるほどに、どこか疎ろな焦点の定まらない鉛筆素描を見たのは数年前のことだった。
富士吉田の小さなカフェの小品が、その時私の覚つかない浮遊感と合っていたのか、店主に紹介して頂き交流が始まった。

その浮遊感は生(エロス)とも死(タナトス)とも言い切れぬ恍惚(エクスタシー)に向かう、彼独特のものだろう。
ふと病み上がりの彼の顔ーいつもそんな表情をして生きてきたのだろうーが浮かんでくる。
画家人生としての辛い日々も重なるのかも知れない。
ドローイングの始まりは、その頃のデッサンの演習の延長であると聞いた。

意志を強く、母性に包まれるのを拒むかのように、彼の手は無限にぐいぐいと紙をおおいつくす。
見る人が共感するのは、やはりそこに同様な孤独な軌跡を見てしまうからなのだろう。
見る人もまた人知れず抱く想い。
ごく普通の人々が感じる不安と、願いと、孤独と、恐れと・・・・。

痛々しいほどの底なしの限りない振るえ。
できるなら、ブラックホールを傍目に見ながら、危うくも、ねじれ揺らいで身体は傷んでも、聖なる星(サンクチャリー)に到って欲しいものだ。
そんな期待を抱かせる不思議な聖性が、彼の作品の魅力のひとつになっている。

美術家・プラクシス代表 高橋辰雄

勝俣喜一経歴

プライスリスト

作品の価格は2013年3月まで有効です。
作品を購入後希望の方は、恐れ入りますが、下記までメールにてご連絡をお願い致します。
折り返し送金方法、納品時期等をお知らせ致します。
(作品が配送の場合、勝手ながら送料はお客様のご負担とさせていただきます。)
なお、作品納入後一ヶ月以内の返品は受付させていただきます
fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
(*お手数ですが@を一つ取ってから送信してください。)


iGallery DC  勝俣喜一展

会期:2012年4月1日(日)〜4月29日(日) 
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜19:00


会場アクセスと展覧会スケジュール