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第一回 子供な政治家 海保 茜



サラリーマンの源泉徴収税には、国税と並んで、市民税と県民税が一年遅れで前年度の収
入に対して、徴収されている。
さて、その割合だが、自分の源泉徴収票や市民、県民税の通知書の数字を見る限りでは、
国税60%, 市民税が30%, 県民税は、たった10% だった。
自分の身近な方が大きいのかと思ったが、さにあらず。
自分にとって遠い存在である国が一番、一番身近な市町村が二番、県って、三番。
結局そういう存在なの。

これが、議員さんで考えてみると、よくわかる。
国会議員は、ニュースでお目にかかる事もあるし、真夜中や日曜の討論会でつばを飛ばし
てたりして、お顔と名前が一致する人もいる。国会でいろいろ、パフォーマンスを見せて
くれる人もいるしね。マスコミもその度にとりあげるし。
市会議員は、幼なじみのお父さんだったり、近所の自治会長さんだったりする事もある。
しかし、県会議員さんて、ほとんど知らないなあ。
選挙の時、投票所のテーブルで初めて名前を見たりしている。
私だけ?

やっぱり、このあたりが、10%って、数字に表れてるのかな?
しかし、自分の生活に関しての影響力から言えば、十分の一という事はない。
国より身近、そして、市町村より、持っている権限は大きいはず。
そんな事を気づかさせてくれたのが、東京都の石原さんだし、ヤスオちゃんなんだと思う。

知事の権限って、案外大きいし、国ほどまどろっこしくなく、法案が実践されたりしてい
る。
やれる事も大きい。飛行場つくったり、高速道路つくったり、ダムつくったり。
公共事業の規模が違う。
しかし、ここでは、お金が足りない。
そう、10%の税金だしね。

政府の補助金をもらう為に次から次から公共事業をぶちたてる。
公共事業の為に補助金もらうのか、補助金の為に公共事業をやってるのか、わからなくな
ってる。
国だって、今、決して、お金持ちじゃないんだけど。
こうした連鎖のつけがようやく国庫にまで、来たんだろう。
しかし、工事受注によって、地方は潤うという大義もあるらしい。

本当に潤うのか?
不必要なものができあがる。閑古鳥の飛行場や、保養施設など、運営にも又、莫大な費用がかかる単なる金食い虫と成
り果てる。


どこかで、絶たなきゃ。メビウスの輪。
そう言っている県知事さんが、何人かはいるらしい。
今、巷は、ヤスオちゃんに向いているけど。
結局のところ、ヤスオちゃんの脱ダム宣言は、そういうことなんだと思ってる。

長野県民の民意は、どこにあるのか、ヤスオちゃんの理想に共鳴してるんだと思う。
しなやかに変革は、むずかしい。
そして、ヤスオちゃんがピーターパンであることが、今回の県議会との軋轢の素なんだろ
う。
県知事室が、ぬいぐるみでいっぱいだったり、着ぐるみだって着ちゃうし、ね。
県議会のおじさん達には、理解の外だろう。

そんなヤスオちゃんに切れちゃった、おじさん達。
子供の理想に付き合いきれないから、ヤスオちゃんにお仕置きしようとしたんだよね。
でも、子供の気持ちに向き合わない叱責は、反省も何にも生まない。
反発だけ。

どうして、僕の気持ちわかってくれないんだあ。
パパやママがわかってくれなくったって、いいもん。
わかってくれるお友達がたくさんいるんだい。
子供の理想を馬鹿にしてはいけない。
えてして、そこに真実があったりするんだから。

ヤスオちゃんが、大人になって、この理想を現実のものにすべく努力してほしい。
これが、長野県民の民意かな。
国の政治が変。
でも、地方が少しずつでも、補助金政治から脱却していくなら、国の政治だって
変わっていくと、信じられる。
凡人よりは、変人の方がましだって。
誰か言ってた。
ちょっと、長野県が、うらやましい。
少なくても、澱みにうたかたが浮かび始めているから。
理想境、大いに結構。
政治に理想がなくて、何が必要なのか、聞きたい。
がんばれ、長野県。

<第一回終わり>




海保 茜

女性

埼玉県在住
都内銀行勤務
趣味 日比谷周辺


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