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「暇つぶし」


予定がない休日や、仕事後の余ってしまった時間に、何をするか。
いわゆる、暇つぶしですね。
パチンコに行ったり、レンタルビデオを借りてきたり、ゴルフ練習場に行ったりする。
いろいろ暇つぶしはありますが、わたしの場合、パソコン関連のアレコレも好きです。
大概は本末転倒な、目的よりもプロセスを楽しむケースが多いのですが、それこそが暇つぶしの醍醐味かもしれません。

先日、急に思い立ってWindows7のベータ版をインストールしてみました。
Windows7はVistaの後継OSで、来年リリースされる予定です。
そもそもがVistaを入れているパソコンは遊び用なので、アクシデントがあろうが、データが飛ぼうが一向に構いません。
現状はVista Home Premiumが入っています。
これを入れる為に、メモリ増設とかグラフィックカードの交換で、暇つぶしをさせていただきました。
それでもって、Windows7。

まずはMicrosoftのサイトからファイルをダウンロードして、それをDVDに焼いて、インストールディスクの作成です。
その為には、先にイメージディスクを焼くライティングソフトを入手しなければなりません。
オンラインで探して、ダウンロードして、待機させておく必要があります。
探せば、さすがWindows、苦もなく無料のソフトがありました。

実は、このインストールDVDの作成が初体験で、それが動機の一つです。
でもやってみれば何のことはなく、普通にCDやDVDを焼くのと同じでした。
ま、それでも一度は経験で、次回からは恐れることなしです。



インストールしたWindows7のデスクトップです。
Vista環境を継承する、アップグレードインストールを選択したのですが、クリーンインストールをすれば、デスクトップは上の壁紙になります。
闘魚、ベタですね。
ベータでベタ、それこそベタなシャレで言葉もないのですが・・・・・。

まぁ何といってもVistaが重すぎて普及しないので、軽量化(最適化)を図って、余計な機能を省いたのがWindows7です。
だから中身はほとんどVistaで、Windows7にアップグレードしても、今のところドライバやアプリケーションは普通に動いています。
メールソフトが付属していないのは意外でしたが、その昔の最初に買ったMacもメールソフトが付いていませんでした。
先祖返りでしょうか。

次の暇つぶしは、無線LAN(Wi-Fi)の構築です。
これはiPhoneの使い勝手を向上させるためです。
それで、家電店にルーターを買いに走ったのですが、問題が浮上しました。
ルーターの設定には対応OSがあります。
多くはWindowsで、しかもVistaまで。

当たり前ですが、ベータ版のWindows7に対応しているものなどありません。
しかも、選んだルータが、Mac対応は良かったのですが、運悪くIntelMac用。
わたしのMacはPPC。
つまりは、買ってきたはいいが設定できないこともありうる、ということです。
ギャンブルですが、それも暇つぶし、一か八かです。
(最悪の場合、Vistaに戻せば良いのですから、実際は手間だけの問題ですが。)

それで、オッケーでした。
Windows7で、設定できました。
無線LANが構築できて、早速iPhoneでWi-Fiで接続してみると、やはり、かなり快適。
調子に乗って、iPhoneのアプリケーションを幾つかダウンロードしてみました。

その一つが一番上の小さな画像の豊平文庫です。
これは青空文庫のビューアー(リーダー)ですが、画面が洒落ています。



左は坂口安吾の『足のない男と首のない男』で、右は太宰治の『貨幣』です。
豊平文庫の特色は、背景色や字詰めをユーザーが設定できることです。
今や携帯電話の読書は珍しくありませんが、こういう画面であれば、読書欲も一層湧きそうな気がします。
豊平文庫は有料(230円)ですが、青空文庫が無料でダウンロードできるので、購入してしまえば読書に費用が掛からないのが利点です。

次は写真にエフェクトを施すアプリケーション、Photo fxです。
iPhone内の写真か、新たに撮影する写真に26種類のフィルターを適用することができます。
iPhoneの画像処理アプリケーションとしては本格派で、これも有料(350円)です。



左は起動画面で、右は撮影した雲の写真に施すエフェクトを選択する画面です。
Classic fxというグループが選択されていて、白黒、古い写真、色合い、ぼかしのエフェクトが表示されています。
画面下の五つのアイコンがエフェクトのグループで、それぞれに4〜6のエフェクトが収められています。
通常は写真をパソコンに転送してから、レタッチ(補正)をしたりエフェクトを掛けたりしていましたが、Photo fxがあればその場で効果を楽しめます。
プロユースのソフトを手がけている会社のリリースなので、価格から想像されるような簡易な作りではありません。

iPhoneをWi-Fiネットワークに接続させると、iPhoneをiTunesのリモコンに変身させるRemoteというアプリケーションが使えます。
Appleの純正で、無料です。
これも試しにダウンロードしてみました。
わたしのMacのiTunesには、いつの間にか4000曲余の楽曲が入っています。
Macは有線でルータに繋がっていますが、その中のiTunesの楽曲を、iPhoneで呼び出して操作することができます。
まずiTunesを起動して、それからiPhoneのRemoteを起動すると、直ぐにプレイリストが画面に表示されます。


左はプレイリストが表示されている画面です。
画面下に、アーティスト、アルバム、検索、その他のメニューがあります。
その他には曲、ジャンル、作曲者の項目もあるので、そこから選曲することもできます。
検索はiTunesの検索と同じで、入力に連れて、曲、アルバム、アーティストから候補が絞り込まれていきます。
つまりiTunesに入っている楽曲すべてから探し出して、再生することができます。
右はアルバムを選択した時の画面です。
指でスクロールして選択しますが、予め右端のアルファベットからイニシャルで選んでおけば楽です。



上は再生中の画面で、アルバムのアートワークもiPhone上でも表示されます。
このリモコンRemoteは、なかなかの出来栄えです。
当然のことながら、再生、一時停止、スキップやシャッフル、リピートはタッチパネルで行えます。
普通のリモコンよりもスムーズな感触で、特に選曲はスマートな操作感があります。
ただし、タッチパネルの弱点で、スクロール中に誤って選曲されてしまうこともあります。

LPの時代にオートチェンジャーというプレイヤーがありました。
LPを何枚か重ねて連続で再生する装置です。
CDでも同じような機能を持ったプレイヤーがありました。
しかしiTunesの連続再生と選曲機能には遠く及ばないでしょう。
iTunesに何万曲入っていようが、iTunesは瞬時に聴きたい曲を選んで再生できます。
もしコンピューターとオーディオが繋がっていれば、Remoteを使って、オーディオの前でiTunesの選曲やコントロールが可能です。
そういう聴き方が、将来、主流になるような気もします。



若い頃、身近な人間が「人生は暇つぶし」とうそぶくのを聞きました。
当時は何を悟ったようなと反発したのですが、今は妙に腑に落ちる所があります。
人生とは、暇つぶしかもしれません。
昨今の、自己実現の強迫観念から逃れるには、人生を暇つぶしと考えた方が楽に生きられそうです。
問題は、どんな暇つぶしをするかです。
どうせなら、愉快で楽しい暇つぶしをしたいものです。
そう、とても人生が明るくなるような、暇つぶしを。
(今回の暇つぶしでは、まだまだダメですね。)