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『小林聡子/Soft Containers』


秋山画廊で開催されている小林聡子/Soft Containersのご案内です。
秋山画廊のドアを開けると、下に下がる短い階段があります。
一階の地面より少し下がった所に床があり、その分天井が高い展示室になっています。



展示室は奥に長い長方形で、その床に作品が並べられています。
展示はインスタレーションの形式をとっていますが、個々の作品として観賞することも可能です。
作品について記された小林聡子さんのコメントがありますので、以下に転載いたします。

私は容れ物のような作品を作りたいと思いました。
容れ物は何か注がれるものを受け止め、つかの間、形を与えます。
この柔らかい容れ物は光も空気も完全には遮断せず、それでも光を受け周囲の影を映し、ときには風に揺れ、微妙にかたむきおぼつかなげに存在しています。
それは透明感があり軽やかで、一見、存在感が希薄なようにみえて、実は強く存在しています。



Soft Containersを直訳すれば「軟らかい容器」になりますが、作品は紙で作られていて、大きな紙袋のような形状をしています。
素材はトレーシングペーパーで、蜜蝋と油絵具で着色されています。

小林さんの作品を拝見していつも感じるのは、その独特な質量感です。
画廊の床に整列でもなく無造作でもなく、並べられた作品。
光を適度に吸収して、適度に反射する、半透明の紙の表情。
その青の、冷たさと暖かさ。
それらが一体となって、紙の容器は、空間にある重さ(軽さ)を付与しています。

会場にはインスタレーション作品と共に、ドローイングの作品も数点展示されています。
紙にアクリル絵具を使用した作品で、小さな円(ドット)が描かれています。

小林さんは現在日本とタイで生活、制作しています。
本展の作品の制作は日本ですが、同作品がタイでも発表されていて、その時の展示風景は画廊に置かれた写真で見ることができます。
どこに置いても小林さんの作品は(紛れもなく)小林さんの作品ですが、空間の違いによる変化も興味深いものがありました。

(2009年3月開催のiGallery企画「世界」2009は小林聡子展を予定しています。)


小林聡子 KOBAYASHI Satoko
Soft Containers
2008年11月10日(月)ー11月29日(土)
日.祝:休廊
 12:00pmー7:00pm 金曜:12:00pmー9:00pm 最終日:5:00pm迄


会場:秋山画廊