post-it



『史上最低の番組』


わたしは、今怒っています。
怒りが収まりません。
昨夜(2006年8月2日)、テレビで史上最低の番組を見てしまったからです。

TBSで放映した、WBAライトフライ級王座決定戦、亀田興毅対ファン・ランダエタ戦。
史上最低の番組です。
素人が見ても玄人が見ても、亀田の完敗でランダエタの勝ち。
ところが判定は、2対1で亀田。
呆れてものが言えないというか、開いた口が塞がりません。

このままでは寝られないので、2チャンネルの関連掲示板を見ると、判定への抗議の嵐。
やっぱり、みんなも怒っています。

ここ数年ボクシングをあまり見ていないわたしですが、亀田三兄弟が話題になっていたのは知っています。
テレビや業界が新たな伝説作りを仕掛けているのは、知っていました。
その仕掛け方が露骨だったので、亀田の試合は見ませんでした。
さほど興味がなかったのです。

最近、週刊誌や新聞が亀田の実力を話題にし始めました。
当初から囁かれていた疑惑ですが、それを確かめたくて、昨夜はテレビ観戦することにしました。
(テレビ局の作戦にまんまとノッた、ということです。)
七時半からの中継ですが、適当な時間を見計らってテレビをつけると、案の定、亀田一家の苦闘の歴史を放映中。
いくらなんでもと思って、開始から四十分後につけても、まだやってる。
結局一時間以上してからリングに登場しました。
(これだからテレビは嫌いです。)

試合が始まると、一回に亀田が予想外のダウン。
その後もランダエタ優勢で試合は進み、十回以降はランダエタの一方的な攻撃。
実況の解説陣も亀田の判定負けを予想して、最終回は玉砕戦法を勧めます。
最後のゴングなって、誰もが亀田の負けだと思ったら、判定勝ち。
シラケましたね〜。
いくら金でジャッジが動くといっても、あそこまで露骨とは・・・・。
ボクシングはスポーツだと思っていたのですが、わたしの勘違いでした。



2チャンネルの掲示板を見ていると、亀田伝説の仕掛けはTBSと電通と協栄ジムのようです。
もちろん亀田父も絡んでいるでしょうが、こっちは用がなくなれば使い捨てでしょうね。
テレビと広告代理店はワンセットの仲ですが、ここまで酷くなるとは思いませんでした。
イベントをでっち上げて、大金を掻き集め、後は知らん顔。

ニュースではどういう扱いかと思って、11時からのTBSのニュースを見てみました。
一回のダウンは当然映しましたが、その後は数少なかった亀田の優勢場面を繋いで、判定勝ちのシーン。
ニュースは報道ですから、公器として、公正でなければならないはずです。
そのはずが、まったくの偏向報道で、多くの人の判定への疑問は無視です。
続いて亀田へのインタビューで、伝説の補強。

たしかTBSと楽天の買収合戦の時、TBSは放送の公共性を強調したはずです。
裏を返せば、インターネットにはその資格がないということですが、自浄作用はWebの方がよほどあります。
公器を使って詐欺まがいの金儲けをして、どこが公共性でしょうか。

つまりは、モラルの著しい欠如ですが、日本人のモラルの欠如を最近盛んに嘆いているのも各テレビ局。
この共犯関係のような構造が、わたしたちの息苦しさの原因です。
モラルのない奴にモラルを説かれても、誰も聴きません。
わたしのような者がモラル云々は失笑ですが、事態はそこまで来ています。
(真摯にテレビ番組制作に関わっている人もいると思いますが、昨夜の事態をどう考えるのでしょうか。)

たかがボクシングの試合ごときで何を、とお思いの方もいるでしょう。
確かに、ボクシングにはグレーな部分があります。
今までもホームタウンディシジョン(地元に有利な判定)はありましたし、ランキングにも金が絡んでいます。
興行につきもののダークな関係もあります。
しかし、昨夜ほど酷いことは稀です。
「物語」はチャンピオンになってから成立するものですが、なる前から散々物語って、揚げ句がアレですから。

わたしが子供の頃はボクシングの黄金時代でした。
毎週ボクシングの番組がありました。
そのボクシングをダメにしたのも、テレビでした。
ボクシング団体の乱立を歩を合わせるように、金でチャンピオンを即成し、タイトルマッチで視聴率を稼ぎました。
実力の伴わないチャンピオンにファン離れがおき、いつしか世界戦もテレビ中継がなくなりました。
テレビは何も育てないといいますが、まったくその通りです。

しかしまぁ、テレビも堕ちたものですね。