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「水溜り」


考えてみれば、わたしは旅行というものをここ何年もしていない人でした。
出不精なんですね。
用事がなければ、出かけない。
これでは見聞が狭くなる一方です。

そこで、休日にプチ旅行。
前に一度妻と行った本栖湖に、一人でクルマで行って参りました。



本栖湖です。
湖畔の風になびくススキが、秋の気配ですね。
(この日の山梨は残暑が厳しかったのですが、さすがにここは涼しい空気でした。)
富士五湖のうち、河口湖と山中湖はメジャー観光地で、本栖湖、精進湖、西湖はマイナーです。
そのマイナーな中でも大きな本栖湖には遊覧船もあって、観光には丁度いいポジションかもしれません。

夏休み後の平日とあって人影も疎らな本栖湖。
あてもなく湖畔をブラブラと散策してみました。
湖に沿った遊歩道を歩いた後、(湖畔から見て)左側のキャンプ場の方角に足を向けました。



キャンプ場入口の広場です。
昨日は台風18号が北日本を通過しました。
その影響で広場には大きな水溜りが出来ていました。
この画像の右側が林になっていて、そこがキャンプ場です。
そちらまで足を延ばしてみましょう。



林の中にも大きな水溜りが出来ています。
小さな、川のようですね。

この画像を見ていると、映画「ダウン・バイ・ロー」(ジム・ジャームッシュ監督)の川のシーンを思い出します。
たしかミシシッピー川を小舟で下るシーンです。
モノクロームの美しい場面でした。
この林の川は単なる水溜りですから、残念ながらミシシッピー川と違って直ぐに途絶えてしまいます。



林の中を散策していると、大小の水溜りがアチコチにあります。
上はそのうちの一つで、比較的大きな水溜り。
これは、池のような水溜りですね。
昨日は相当な降雨量だったことが分かります。
水面に映った景色にご注目下さい。



こちらも池のような水溜りです。
水面の景色、美しいと思いませんか。
雨水でできた水溜りは濁っていますが、光線の加減で辺りの景色を鏡のように映し出しています。
特に一つ前の画像は、フォーカスを若干ソフトにした水彩画のようです。
この画像は、映り込んだ青空と樹木が印象的です。

撮影時、水面の映り込みにどの程度注目してシャッターを切ったのか記憶にありません。
良くあることですが、コンピュータに取り込んでレタッチしていると意外なことに気がつきます。
撮影の意図とは違う、切り取られた風景の意外な面の発見です。
画像を見ながらテキストを書く、つまりWebページ作りをしているときにそのような発見が良くあります。
あれこれ考えながら写真を見ているからでしょうね。



別の水溜りです。
陽の光で水の濁りが顕になっています。
温んだ池のようにも見えますね。

湖も水溜りといえば水溜りです。
海も川も、水溜りです。
雨が降って出来るのが水溜りですから、そういう意味ではみな水溜りですね。

考えてみれば、人間は水溜りが好きです。
行楽といえば、水溜りに行くのですから。
今回のプチ旅行も水溜り見物に終始しました。


雨が降って水が溜まる。
その当然の営みが、どこかで違う方向に行っているようです。
その結果の一つが今夏のような異常気象かもしれません。
プチ旅行を終えた、わたしの小さな感想です。