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影絵


影絵、懐かしいですね。
子供の頃、障子に動物の姿を手や指で影絵にしたり、見たことがありませんか。
あるいは落語家が紙を器用にチョキチョキとハサミで切り抜いて、アッという間に影絵を作っていました。

影絵の歴史は古く紀元前からあったようで、世界の各国に固有の影絵があります。
今回はそういった影絵の歴史の話ではなくて、コンテンポラリーな表現形式の影絵をご紹介いたします。



AppleのUSサイトのiPod+iTunesのページです。
このページでiPodのTVスポットをQuickTimeで視聴できます。

iPod、売れてますね〜。
(今日も知合いが、明日パソコンショップで買うといってました。)
本業の不振をiPodとiTunes Music Storeでカヴァーしている感じです。

さて、左のピンクは
Black Eyed PeasのHey Mamaという曲がバックに流れるスポットです。
ヒップホップですが、ジャマイカンティストなので、ラガマフィンに近いラップです。
右はイエローはロックで、JetのAre You Gonna Be My Girlが流れます。
申し訳ないことに、最近はすっかり音楽に弱くなって、どちらのミュージシャンも存じ上げません。



ヒップホップバージョンのオープニングの画面です。
一応著作権を考慮して、この画像だけは出所が分るようにしました。
(以下はスポット画面だけのキャプチャです。)

ピンクとホワイトとブラックの影絵ですね。
色のコントラストが鮮烈です。
このシーンでは、歌に合わせてリッピング(口を合わせる)しています。


こちらはロックバージョンのオープニングです。
ハードロックに合わせて、身体の激しく揺らせています。
IPodの本体、イヤホン、コードを白く抜いてアピールしています。
巧みな演出です。
よく見ると、影の人物の影がグラデーションで描かれていますね。
芸が細い!

これからご覧いただく画像はヒップホップ、ロックバージョンが入り混ざっています。



シンメトリーの構図です。
左右まったく同じですから、CGを使ってますね。
単純な影絵のムービーのように見えて、実はお金と時間がかかっています。



オープニングとは別の、髪を振り乱して踊るシーンです。
ウォークマンで踊りまくる人は余りいませんでしたから、時代の変遷でしょうか。
ムービーをキャプチャしたのですが、構図が決まってますね。



登場するダンサーは黒人が主ですが、これは白人。
当然、ロックバージョンです。



ギターをかき鳴らすダンサー。
低いポジションのギターパフォーマンスです。
最初にやったのは、THE WHOのピート・タウンゼントだったでしょうか。



ピースマーク!



今までのバック(背景色)は、ピンク、グリーン、イエローでした。
これはパープル。
スポットのバックはすべて以上の四色です。



セクシーなショット。
ベルトがアクセントです。



ステップのアップ。
スニーカーはコンバースのオールスターのローカット。
単純な要素に細く情報を詰め込んでいます。



このポーズは決まってますね。
iPodのコードが円を描いているが、キイてます。



これも同一人物のCG合成ですが、ディレイ(時間差をつける)効果をねらったシーンです。



コマーシャルな、シーンです。
ブルース・スプリングスティーンのような横顔。

何か、紙芝居のようなプレゼンテーションのような展開になってしまいましたね。
プレゼンはともかく、影絵には紙芝居の伝統もあるので、これで良いのです。



両手を画面の外に出して、画面に変化をつけています。
やはり、ホワイトのコードが画面の引き締めています。



カワイイ、シーン。
ムービーをキャプチャして静止画で見るのも、趣(おもむき)が変わって面白ですね。
(↑自画自賛ではなくて、他画自賛。)



ジャーン!!!!
終りです。
おつかれさまでした。

というわけで、古い表現形式も使い方次第によってはナウ(!)になるという好例でした。
しかしこれには法則があって、直前の古い形式はダメです。
直前の前、一昔前の表現形式を使うのがミソです。
なぜなら、ナウは直前との相対的比較によってナウになるのですから。
(そして、表現形式にまったく新しいものはなくて、古い形式に何かを足しているだけです。)



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