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「iPhone's photo( 31)」


iPhone's Photo(30)の続き

朝日新聞デジタルの利点は、そのキャッチコピーに窺えます。
「新聞は、ひとりの手の中から、ひとりひとりの手の中へ。」

紙の新聞であれば、誰かが読んでいれば他の家族は読めません。
デジタルは同時に家族が、PCなりタブレットなりスマートフォンなりで、読めます。

これは確かに利点ですが、今、新聞はそんなに人気があるでしょうか。
若い人で新聞を購読していない人は多数います。
新聞がなくても、ニュースはWebやテレビで事足りるからです。
事実わたしと母の新聞の回し読みには一日の時差がありますが、何の差し障りもありません。
母はテレビや、父がいつも聴いているラジオで、たいていのニュースを知っています。
速報性のない記事は、一日や二日遅れて読んでも何の問題もないのです。
そういう記事に興味のない人は、新聞を取る必要もありませんから、購読者数は減り続けているのです。



それよりも、マンション住まいで、新聞を毎朝一階の郵便受けまで取りに行かなければならない人。
こういう人は、便利だと思います。
パジャマ姿でベッドで新聞を読みたい(セキュリティの高い)集合住宅族。
それと通勤時間しか新聞を読めない人。
タブレットだったらコンパクトですから、気兼ねなく読めるし、オンラインであれば、車中で過去の新聞(記事)も読めます。
必要な部分をスクラップしておいて、オフラインでじっくり読むことも可能。

美しい写真や動画、音響の掲載もデジタルの強みですが、今のところ活かされていないようです。
まだ試行錯誤状態。
紙をなぞっている感が強くて、ユニークさに欠けています。
アップルのiPhoneやiPadがなぜ大ヒットしたか、その辺りを考察しないと、尻すぼみに終わりそうな予感さえします。



あっ、これは椅子ではなくて電線の鳩(Bird On A Wire)ですが、箸休めということで。
iPhon4にはデジタルズーム機能がありますが、使用すると画像が荒れます。
前はその荒れを嫌って使わなかったのですが、今は荒れ=ノイズが気に入って時々ズームしてます。
上はその一例で、荒れた上にアプリのエフェクトでさらにノイズを増やす時もあります。

ところで、今はともかく、わたしは新聞が好きな人間でした。
父が朝刊を読みながら食事していた影響で、食事中新聞を読むのが習慣でした。
西瓜糖という喫茶店をやっていたころは、アパートで東京新聞、店で読売と毎日を購読していました。
その中で最も面白かったのは東京新聞で、愛読してました。
なぜ朝日を購読していなかったかといえば、大麻に比較的寛容な記事が多かったにも関わらず、井上陽水が逮捕された時に態度を一変させたからです。
信用ならぬ新聞ということで、意図的に排除していました。
今は時効ということで、許してますが。(笑)

そういえば、大学入学で上京したての頃、下宿にズカズカと入り込んでくる人がいました。
馴れ馴れしいので、知り合いかと思って話していたら、新聞勧誘員。
れっきとしたイナカモノであったわたしは、いわれるままに購読を約した覚えがあります。
都会とイナカの違いを痛感した出来事として、今でも記憶にあります。
あの勧誘員は読売だったか、産経だったか。



紙の新聞とデジタルの新聞の最大の違いは、紙は物質として残るということです。
放っておけば、あっという間に山のように溜まってしまう。
広告のチラシの有無も大きな違いで、特に地方ではチラシの威力は大きい。
その分、分量も多いので溜まると新聞以上に始末に困ります。
その点デジタルは、増えもせず減りもせずです。

昔は新聞紙のリサイクルは絶大で、ほとんど無駄にはなりませんでした。
包装紙として大活躍しましたし、新聞紙で兜を作って遊んだり、バナナのたたき売りも新聞を使ってバンバン叩いていたような。
一番の思い出は、中高時代の弁当の包み紙としての新聞。
おかずの汁が漏れて、新聞と教科書が滲みだらけになりましたっけ。

とにかく使い道には困らなかったのが新聞紙で、邪魔になり始めた頃が、新聞の衰退期と重なるかもしれません。
今でも時々新聞紙が必要になる時がありますが、そういう時に限って無かったりする。
困ったものです。



全国紙と地方紙の二紙を購読しているわたしの意図は、地方の美術情報の収集にあります。
全国紙の地方版にも文化欄がありますので、まめにチェックしておく必要があります。
もちろんこちらからプレスリリースを送って載せてもらうことも度々です。

もしデジタルの新聞が、iTunesストアの楽曲のように、一曲ごとに購入できるシステムであったならどうでしょう。
わたしは文化欄の必要な紙面(ページ)だけを買うようにすると思います。
美術情報や書評の紙面などをメインにして買いますね。
そうやってスクラップしておいて、必要な時に読んだり、プリントアウトする。
すると各新聞社間を横断して、自分だけのデジタル新聞ができる。
その価格が一紙の一ヶ月分だったら、断然そっち(スクラップ買い)の方を選びます。
デジタルだったら、それもアリだと思いますが。

朝日新聞デジタルは出足好調のようです。
しかしそれは、7月末まで無料というキャンペーンが効いているからでしょう。
わたしのように7月末に解約する人が続出するかどうか、今後のアップデートにかかっています。
デジタルですから恐れずに、どんどん新企画を試したら如何でしょうか。
そうしないと、又黒船がやってきてゴソッとさらわれれる危険性がありますよ。
何せ、デジタルの世界ですから。