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「icons」


MacにLeopardをインストールして一ヶ月余が過ぎました。
毎日使っているのですが、Leopardの新機能はFinder以外試していません。
忙しいというより、探求する気分が高まらないのです。
今年のOS探求心はVistaで使い果たしたのか、テンションがなかなか上がりません。
年が明けたら、新しい機能にトライしてみたいと思います。

FInderのCover Flowは、ファイルを開けなくても中身が表示される便利な機能です。
クイックルックのボタンを押すと、より拡大されて表示されます。
クイックルックの画面で、下部のフルスクリーンの矢印をクリックすると、文字通りフルスクリーンで表示されます。
各アプリケーションを表示させると、巨大なアイコンが表示されます。
こんな具合に。



大きいですね〜。
とてもアイコンに見えません。
今回は大きなアイコンをご覧いただきながら、思い出話などをしてみたいと思います。

素敵な、椅子ですね。
少し低めな感じですが、座り心地は良さそうです。
Front Rowというアプリケーションのアイコンですが、映像や音楽の特等席を現しています。

わたしの住居には椅子が、十脚もあります。
ほとんど一人暮らしですから、多すぎます。
買ったのは二つだけで、あとは貰い物か実家にあったものです。
だんだん増えていって、気が付いたら十脚にもなっていました。

今年譲り受けたのが、革張りの立派なソファー二脚。
(大きいので、一脚は隣室に保管しています。)
立派すぎて部屋に合わないので、布のソファーカバーを被せて使っています。
その色が、上の椅子と同じようなレッド。
予算の都合上、ネットで安くて気に入るものを探したら、そうなりました。
テレビの前に置いてありますが、深い色のクッションも付けたので、そこだけが耽美な世界になっています。

椅子で思い出すのは、新婚当時にあったイノベーター(イケヤ)のラブチェア。
二人掛けで、パイプの骨組みに大小のクッションが二つづつ。
ポップなグリーンのカラーで、狭い部屋に無理やり置きました。
ソファのある生活に、憧れた結果です。
買ったのは赤いカードの丸井で、月賦(!)でした。



これも、キレイなアンブレラですね。
原寸だと大きすぎるので、少し縮小してあります。
こんなアンブレラを買ったら、雨の日が待ち遠しいと思います。
Backupというアプリケーションのアイコンです。

アンブレラで思い出すのは、『シェルブールの雨傘』。
カトリーヌ・ドヌーブを一躍有名にしたフランス映画です。
セリフも全部歌になっていた、完全ミュージカルです。
映像のカラー(色)がハイパービビッドで、今見たら驚くこと必至の映画です。

十五年ほど前、清水の舞台から飛び降りたつもりで、高級ホテルに泊まったことがあります。
新宿のパークハイアット。
今はどうか知りませんが、当時話題になったハイクラスホテルです。
ここに妻と一泊しました。

幾つかの目新しいサービスの一つに、レーザーディスクの貸し出しがありました。
部屋で高品位画像の映画をどうぞ、というサービスです。
今なら当たり前すぎて、何の付加価値もないのですが、時代はそれが最新サービスでした。
部屋にあった映画のリストを見ると、これが貧弱で、見る気になったのは『シェルブールの雨傘』ぐらい。
その昔に劇場で見ていますが、再見に値する映画でした。

清水の舞台から飛び降りたついでに、ルームサービスでシャンパンを頼みました。
シャンパンを飲みながら、映画鑑賞という段取りです。
高級ホテルでシャンパン、恥ずかしながら『プリティ・ウーマン』の影響ですね。
リチャード・ギアのように、ストロベリーを一緒に頼んだかどうかは忘れましたが、いくらなんでも、そこまではやっていないと思います。

ところが、シャンパンを一杯飲んだところで、わたしは急激な睡魔に襲われ、寝てしまったのです。
映画も見ずに。
分不相応な場所で緊張していたのでしょう、疲れが一気に出てしまったのです。
イビキをかいて寝ること二時間。
起きた時、妻はプンプンで、なだめすかしても効果ありません。
一応二人で映画は見ましたが、機嫌は直りませんでした。
馴れないことは、しない方が賢明ですね。



街角のスピード写真、フォトブースです。
Photo Boothというアプリケーションのアイコンです。

フォトブースで思い出すのは、フランス映画「アメリ」。
2002年、日本公開でした。
スピード写真のフォトブースが重要な舞台になっていました。
この映画も、カラーが美しい映画でした。

画像に写っている写真の女性、眼鏡をかけたものと外したものがありますね。
昔の少女マンガの定番に、不細工と見えた女の子が眼鏡を外したら美少女だった、がありました。
今は、眼鏡娘が流行っているようです。
眼鏡をかけた美女。
外したら、どうなるでしょうか。
やっぱり美女か、期待外れか。

などと、ハシャいでる場合ではありません。
わたしも中学一年生から眼鏡男。
すっかり身に付いた眼鏡を外すと、裸になったような恥ずかしさがあります。
眼鏡を最初にかけた時も恥ずかしかったが、外すのは、それ以上の恥ずかしさかもしれません。
たかが眼鏡ですが、侮れない器具ですね。



アナログの時計が描かれたガラス窓です。
時計の枠が矢印になっています。
そう、Time Machineです。
これもアプリケーションのアイコンです。

一昨年に購入したシングルに『タイムマシンにおねがい』があります。
サディスティック・ミカ・バンドと木村カエラのコラボで、CMに使われました。
詩は、過去の時代へのワープが綴られています。

さて、Time Machine。
過去に行くか、未来に行くか。
貴方なら、どちらのボタンを押しますか。

わたしは、過去でしょうね。
それも遠い過去。
未来には、行きたくありません。
平安時代とか、行ってみたいです。
セレブな宮廷の人々の生活や庶民の生活を覗いてみたいですね。

自分の子供時代の思い出、「ALLWAYS 三丁目の夕日」のようなノスタルジーは嫌いではありません。
嫌いではありませんが、Time Machineで行きたいとは思いません。
あの当時の生活は、思い出として輝いていますが、実際はそれほど楽しいものではありませんでした。
豊かさのモデルは確かにありましたが、生活は淡々と過ぎていくだけでした。
むしろ、今との考え方や想像力の違いに興味があります。
それはTime Machineにおねがいしなくても、当時の映画や小説に表れています。



これはアップル純正ではなく、FileMaker 社のパーソナルデータベース、Bentoのアイコンです。
Leopard 専用に設計されたソフトで、現在プレビュー版がダウンロードできます。
Bentoとは、アイコンの図柄通り、弁当のことですね。
弁当といっても、ホカ弁ではなく、松花堂弁当の弁当です。

Leopard 専用というフレーズに誘われてダウンロードしましたが、まだほとんど使っていません。
データベースは、画廊で使用している同社のFileMaker Proを使っています。
Leopard 専用というだけあって、新しいインターフェイスに準拠で、アイコンが示すように純正アプリとの連携も可能です。
無味乾燥なFileMakerとは大違いですが、ビジネスツールとしての軽快さには欠けます。
あくまでもパーソナルユースで、楽しみながら使うデータベースソフトです。

FileMaker 社はアメリカの会社なので、Bento=弁当とは思い切ったネーミングです。
わたしの弁当の始まりは、中学校です。
小学校は、悪名高かった脱脂粉乳のミルクに象徴される給食でした。
だから、弁当になったのは大きな喜びでした。
(作る母親にとっては、負担だったでしょうね。)

弁当を新聞紙に包んで、鞄に入れて登校する。
弁当箱はアルミ製でした。
ところが、おかずの汁が零れて新聞紙を濡らし、教科書まで汚すことがありました。
煮物の汁が染み込んだ教科書。
その薄茶の染みと微かな匂いが、弁当の思い出です。



最後は、システム環境設定のアイコンです。
これは以前のアイコンからリニューアルしました。
以前のものは、金属パネルにスイッチとアップルマークのシンプルなデザイン。
今度は歯車の派手なタイプです。
「マシーン・エイジ」を彷彿させる、レトロなデザインです。

現在の機器はほとんどが電子制御されています。
機器の歯車は、コンピューターの命令によって、動いたり止まったりします。
歯車自体は再制作が可能ですが、制御している電子基板はストックがなくなるとアウトです。
そうなると機器本体の買い替えを余儀なくされます。
修理が効いた、昔の機器の寿命には敵いません。

昔の、レトロな機械、機器へのノスタルジーも結構見受けられます。
しかし、「世界」2007展のテキストでも触れた『パンディモニアム 汎機械的制覇の時代』を読むと、懐かしさにばかり慕っていられません。
マシーンの、その初期の時代の内側は悲惨でした。
過去は簡単に美化される、好例かもしれません。
それだったら、音楽の(それも初期の)テクノの批評精神の方が健全です。
あの自虐的な批評は、明るい未来像に一撃を与えたのでした、

今夜は、この辺りでお終いです。
又面白いアイコンを見つけたら、お会いしましょう。
次は思い出ではなく、夢を語りましょうか。