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探偵物語(19)


日常的な光景の中に、ハッとするような美しさを発見する時があります。
様々な要素が重なって、その美しさを形成しています。
それは時間であったり、光であったり、又付随的な事物であることもあります。



陸橋の下部です。
グリーンの塗装と上部の鋼管が、時間を経て、とっても良い色相になっています。
右下の塗装の跡(?)も、自然な感じで美しさに貢献しています。
早朝の光景です。



公園です。
この光景の美しさのポイントは、自転車です。
樹に立て掛けるようにして停めてある、自転車。
もし自転車がなかったとしたら、どうでしょう。
ありきたりの、公園の光景ですね。
自転車が、夕刻の何ともいえない時間帯を、表現しているような気がします。




葡萄の樹の葉です。
これは光ですね。
それと、うっすらと写る電線。

わたしは探偵ですが、プライベートでは光景を探索しています。
それは、わたしの記憶装置の中にある、忘れられた光景を探すことです。
そして、光景が美しかったのなら、その中に価値を見出すことです。



ゴール、です。
長い影で、寂しそうなゴールですね。
でも、美しいと思います。

遠くに見えるのは、病院。
邪魔なようでいて、やっぱりあった方が、この光景に相応しいかもしれません。



アパートです。
葡萄畑の真ん中に建つアパート。
光と雲と電線が、一時の光景を形作っています。

夏も、終りです。
探偵には辛い季節でしたが、去りゆく光景には惜別も覚えます。
建物がそこあったとしても、その光景は二度と見れません。
美しさとは、一瞬のことなのですから。