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最近、わたしは搭(タワー)に眼がいってしまう。
高速を走っていると山中に大きな搭が建っている。
送電線を繋ぐ搭である。
辺り一面自然の中に赤と白に塗り分けられた大きな搭。
そのコントラストが美しいと思う。
わたしはこれを見るといつも現代美術を連想する。
その在り方が何となく現代美術を思わせるからである。



田園にそびえ立つ鉄塔。
秋真っ盛りの頃撮影しました。
これが現代美術の作品だとしたらどう思いますか?
このスケールだったらクリストにも負けないと思いますが。
強度を保つ為に生まれた幾何学的構造が美しい。


日本で一番高い塔は東京タワーです。
わたしの一番好きな搭も東京タワーです。
(エッフェル塔は見たことがありません。)
ライトアップされた東京タワーは本当に美しいですね。
首都高環状線の浜松町付近を夕暮れに走っていると、真近にオレンジ色に輝く大きな東京タワーが見えます。
恐らく東京で最もビューティフルなドライブポイントではないでしょうか。
窓を開けると東京タワーが見えるアパートに住みたい、そんな人が多いのも頷けます。

わたしは搭(タワー)やビルディングが好きです。
空に向かって真直ぐ立っている様が好きです。
それらが持っている「新しさ」が好きでした。

しかし、搭(タワー)は往々にして景観問題を巻き起こします。
エッフェル塔も建設計画が明らかになった時は賛否両論がありました。
京都タワーも揉めました。
(あの形は・・・・、揉めますよね。)
上の鉄塔だって、わたしは美しいと思ってますがそうは思わない人もいるでしょう。
これは、ある種文化の問題でしょうね。
わたしが搭から現代美術を連想したのもその辺りに関係があるのかもしれません。

文化で思い出したのですが、
仏教が日本に伝来し寺が建立された時のカルチャーショックは凄かったでしょうね。
中国式の寺は赤白の鉄塔以上にド派手で浮いた存在だったでしょうから。
飛び抜けて新しいモノだったと思います。
それが古びて、日本人がその枯れた味を愛好して今様の寺になったと思います。


これはモノトーンの鉄塔です。
高さが大分低いですね。
多分、ある程度の高さ以上は赤白の色に決められているのではないでしょうか。
飛行機などが認識しやすいように法律で規定されていると思います。
このシンプルさも捨てがたいものがあります。
日本式の寺と言ったところでしょうか。

この鉄塔は送電線用ではありません。
用途は解りませんが、形がコンテンポラリーです。
ヘタなモニュメントより、機能だけで出来ている鉄塔の方が美しく感じる時があります。
別に造形美とかは考えていないと思うのですが。
不思議です。


東京の日比谷に三信ビルという古〜いビルがあります。
シャンテの前あたりです。
ビルの屋上に小さな搭が立っています。
電波を発信しているのか受信しているのか分かりませんが、あれを見ていると稲妻マークが搭の先端から出ている姿を想像してしまいます。
昔の映画の記憶がそうさせるのでしょうか。
それはさておき、わたしが一番カワイイと思っている搭です。
搭好き(?)の方はお近くに行かれたら是非見て下さいね。

(Tower Of Powerというシスコのファンクバンドがあったが、あれは送電線を繋ぐ搭のことなのだろうか?)



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