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「RGB」


以前iGalleryで、職場の斜向かいがパチンコ店であることを書きました。
このパチンコ店はボーリング場と小さなゲームセンターを併設しています。


ボーリングピンの右側がボーリング場とゲームセンターです。
左側はパチンコ店になっています。

注目していただきたいのは、駐車しているクルマの前のウィンドウです。
青(B)赤(R)緑(G)の色面が見えますね。


大きなガラスの向こうに、青赤緑のパネルが貼ってあります。
どうしてこういう意匠になっているのかは不明です。

ただ単に、殺風景だから色のパネルを貼った、が案外正解かもしれません。


このRGBのパネルは前から知っていましたが、特に気に留めていませんでした。
ある日この前を通ったとき、映り込んだ景色に何気なく目が行きました。
その景色は目前の現実を映していながら、現実とは少し違った、記憶の中の忘れられた景色のようでした。



青い景色です。
中央の建物は廃業したコンビニエンスストアで、右は花屋です。

カメラにフィルターを装着したりレタッチでフィルターをかければ、このような景色になるかもしれませんが、少し違う気がします。
ガラスの映り込みには、現実の景色の色合いが微妙に残っているからです。
特に記憶を揺さぶるのは、画面を横切っている電柱と電線です。
なぜか、電柱と電線がわたしの遠い記憶を刺激します。

RGBとは光の三原色で、それぞれRed(赤)、Green(緑)、Blue(青)のことを表しています。
光の色はこの3色の光をさまざまな強さで混ぜ合わせることによって、あらゆる色を表現することができます。
RGBの三色の光は、100%の強さで混ぜ合わせた状態が白、0%にしたときが黒になり、これを加法混色といいます。

RGBの定義ですが、記憶の中も三原色に分けられているかもしれません。
その記憶を混ぜ合わせて、わたし達は現実を見ているのでしょうか。
あるいは、人が生まれたときが白で、死ぬときは黒。
つまり、誕生したとき100%だった光の強さが、死ぬときは0%になってしまうのかもしれません。
(ま、これはこじつけですが、そう考えてみるのも面白いですね。)



赤い景色です。
右が元ガソリンスタンドの飲食店で、左はWINS(場外馬券場)です。
元ガソリンスタンドの二本の柱が、画面の中心になっています。

遥か遠い記憶のようでもあり、夢の中の景色のようでもあります。

小学生の頃、虫下しの薬を飲んだことがあります。
寄生虫駆除の薬ですね。
その薬を飲んでしばらくすると、風景が黄色のフィルターをかけたようになりました。
薬の副作用ですが、その副作用が何となく楽しい経験だったのを思い出しました。



緑の景色です。
WINSの全景と、左端の建物がわたしの職場の飲食店です。
個人的には上の画像同様、景色の後景の山が記憶を揺さぶります。
甲府は盆地で周りを山に囲まれていますし、そいいう環境で高校生まで育ちましたから。


景色を単色で描いた作品で思い出すのは、太田蛍一さんと大竹伸郎さんの(いずれも初期の)絵画です。
いずれも景色そのものよりも、その描き方に、現実とは違った風景が表出されています。
記憶と夢がないまぜになったような、不思議な景色です。

それはどことなく彼岸を連想させ、生と死が連続しているような景色です。
時間が直線的に未来に延びるではなく、過去と円環を描いている景色です。
わたしは、そんな景色にいつも魅入られるようです。