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田邉かほる展
シリーズ Old but GOLD Vol.6
TANABE Kahoru

田邉かほる展の展示風景です。



各壁面の展示です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。

以上の9点(正面エアコン下にも1点あります)で田邉かほる展は構成されています。
作品の詳細を御覧下さい。



左壁面、左端の作品です。
タイトル「 Le Visage tourmente 悩んでいる顔 」(銅版)でサイズ44×35cmです。



左壁面、右端の作品です。
「Proliférer(I) 増殖する」(銅版)で74×203cmです。



正面壁面、左端、右端の作品です。
左は「Proliférer (II) 増殖する」で180×140cm、
右は「Gride」で59×77cmです。



正面壁面、エアコン下の作品です。
「 1. Noire 黒」(銅版)で 44×35.5cmです。



右壁面、左端、左から2番目の作品です。
左は「Vert-de-gris 緑青」(銅版)で33×26.5cm、
右は「Ombre et lumière 陰と光」で35.5×29cmです。



右壁面、左から3番目、右端の作品です。
左は「Le Visage 顔」(銅版)で44×35.5cm、
右は「Le Visage Mélancolique もの悲しい顔」(銅版)で38×33cmです。

<作家コメント>
「銅板と版」
深く腐食され、傷つけられた銅板の声を聴きながら、ニードルで自分自身のイメージを刻んでいく。
それを現実の紙に写し取り、刷りあがったものを目にした時、喜んだり、落胆したり、と思っていたものと異なるのが面白く興味が尽きない。
老若男女の楽しい工房仲間と共に、何時までも続けていきたい版画世界です。

田邉さんは高校を卒業して農工大で農学を学びました。
女子では珍しい理数系の進学です。
その後結婚、出産があり、40代で美大に入学しています。
当時最も高齢の新入生ですが、そこでヨーゼフ・ボイスの作品で出会い、現代美術の洗礼を受けました。
前回の坂本泉さんも、結婚、出産を経験しています。
そこには男性にはない、作家としての苦難があったと思いますが、それを糧にして今日も制作を続けています。

田邉さんの版画作品の特徴の一つは物質的な側面です。
版画の刷りなどに納得しない不合格作品を裁断して編んだ「Proliferer (I) 増殖する」、「Proliferer (II) 増殖する」のシリーズ。
版画作品を素材にしたレリーフ、立体とも言える作品です。
紙に刷られた版画作品の物質性を活かした、中心のないオーバーオールな作品です。
編むという手仕事は、前回の坂本さんの刺繍と同じで、頭脳とは異なる手の思考が際立っています。
又、伝統的な女性の仕事分野という意味でも、男性作家にはない表現です。

銅版に浮いた緑青(ろくしょう)を転写した作品、また過度の腐食で半ばボロボロになった銅版作品も物質的です。
前者は壁土などをそのまま額装したようにも見えます。
田邉さんは以前から自画像を良く描いていたそうですが、本展の顔シリーズには人の年輪が刻まれているようにも思えます。
ラフでモノクロームな、時間と光と陰が作った顔の画。
それを彫り、腐食し、プリントした過程の時間も重なって、より陰影が深くなっています。
顔の物質的な面と精神的な面が表された、版画独自のシリーズ作品です。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト1
プライスリスト2

<シリーズ Old but GOLD
さほど遠くない過去、共同体には長老という存在があり、尊敬の対象でした。
その経験の積み重ねから生まれる知恵が尊ばれたからです。
昨今は若くあることに価値が置かれ、アンチエイジングが消費のターゲットになっています。
しかし、年齢を重ね、それ故にますます輝くことこそが本来の老いの在り方です。
この度、60歳以上に限定した山梨の現代美術作家シリーズ「Old but GOLD」を開催いたします。
現代に於いて60歳は老人の範疇外かもしれませんが、その長き経験を活かした美へのアプローチは貴重です。
美術には若者の新鮮な感性が必須ですが、年長者の奥深い洞察も不可欠です。
シリーズとしてご高覧いただければ幸いです。

歳を重ねてますます輝くー60歳以上限定、山梨の現代美術作家シリーズ
vol.1 高橋辰雄(1/10〜1/27) vol.2 橘田尚之(7/4〜7/21)
vol.3 飯野信二(8/1〜8/18) vol.4 浅川徹(10/3〜10/20)
vol.5 坂本泉(10/31〜11/17) vol.6 田邉かほる(12/5〜12/22)

作品を購入御希望の方は、恐れ入りますが、下記までメールにてご連絡をお願い致します。
折り返し送金方法、納品時期等をお知らせ致します。
(作品が配送の場合、勝手ながら送料はお客様のご負担とさせていただきます。)
なお、作品納入後一ヶ月以内の返品は受付させていただきます
fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
(*お手数ですが@を一つ取ってから送信してください。)

田邉かほる展
会期:2019年12月5日(木)〜12月22日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00


会場アクセスと展覧会スケジュール