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藍 画 廊


郷司基晴展


郷司さんとのお付き合いはかれこれ20年近くになる。
当時わたしは「西瓜糖」をオープンして間もない時期で、ギャラリーの方針を試行錯誤していた。
そこへ郷司さんが展覧会をやりたいという申し出をしてきた。
今考えると、郷司さんは二十歳そこそこの年齢であった。
これが、わたしと郷司さんの出会いであり、わたしと写真の出会いでもあった。
わたしはそれから写真を観る楽しみを覚えた。
郷司さんの展覧会の反響は大きかった。
その表現世界の独自性、技術の高さに主に作家から反応が返って来た。
郷司さんは、本当に早熟な人だったのである。

その後、郷司さんは展覧会を数多く開催し、2冊の写真集、「カルサイト」、「花冠」も上辞して作家としての道を順調に歩んだ。
写真表現の世界では独自のポジションを築いている作家である。
郷司さんの被写体の多くは「男性ヌード」と「花」である。
過去の展覧会でもその二つを撮ったものが多かった。
今回の展覧会は敢えてそこから外れた試みである。
それは郷司さんとわたしの冒険である。


会場写真です。
本展は額装作品12点で構成されています。
サイズ(額サイズ)は427×351cmが8点、488×390cmが4点です。
ほぼ同じようなサイズの作品が、白い壁面にゆとりをもって展示されています。
一点一点がじっくり鑑賞できます。


さて、冒険とはプリントの上に着色することです。
今回の展示作品の多くはゼラチンシルバープリントの上にアクリル、ガッシュ等で着色されています。
プリントに薄く着色されたものから、原形をとどめないまでに塗り込められた作品まであります。
1点だけは着色されていませんが、プリント時に通常では用いない方法を使っています。



如何ですか?
と言ってもこの写真では良く解らないと思います。
そうです、会場に出掛けていただくしかないのです。
そしてこの冒険が貴方の眼にどう映ったか、それをわたしは知りたいのです。
冒険の成否は、観客である貴方の判断で決まるのですから。

御高覧よろしくお願いいたします。

藍画廊 夲展企画担当 ふくだ まさきよ 




会期

2000年11月6日(月)-18日(土)

11月12日(日)休廊

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)

会場案内


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