藍 画 廊

丸山芳子展
ヒトと、あらゆる他者と
MARUYAMA Yoshiko


丸山芳子展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の47点(絵画)+2点(立体)が展示室の展示で、その他小展示室に2点(絵画)の展示があります。
個々の作品、及び全体としての空間表現(インスタレーション)の展示になっています。
作品数が多いので詳細につきましてはプライスリストからご覧下さい。
絵画は紙にアクリル、ガッシュを基本にパステル、転写、コラージュなどが施されています。
作品をご覧下さい。



左壁面、左側の作品です。
作品はセクションごとにタイトルが付けられていて、上は<命・アゲハの生態> になっています。



左壁面、右側の作品です。
<命・アゲハの生態> と<多様な生き物> のセクションです。

 


任意にピックアップした2点です。



正面壁面、左側の作品で、<多様な生き物> のセクションです。



正面壁面、右側の作品で<多様な生き物>と<この世の不思議> のセクションです。

 


任意にピックアップした2点です。



右壁面左側の作品で、<この世の不思議> のセクションです。



右壁面右側の作品で、<この世の不思議> と<自然災害> のセクションです。

 


任意にピックアップした2点です。



入口横壁面の作品で、<宇宙から地球を見る> のセクションです。


任意にピックアップした2点です。


床面に設置された立体(オブジェ)2点です。
「ヒトと他者の足2組」(石粉粘土)と「木のオブジェ2組」(自然木)を組み合わせた2点が向い合わせに置かれています。


〈作家コメント〉

丸山 芳子 展 ヒトと、あらゆる他者と

2011年の東北の震災は福島生まれの私を突き動かし、開始した国際交流プロジェクト「精神の〈北〉へ」に10年間専念しました。
東北と世界の北方を向き合わせて、互いに共振する精神性を探る交流活動は、回を重ねるうちに、福島に招いた海外作家の国へ招かれる往復の交流へと展開しました。2019-20年にはフィンランド北方地方ラップランドでの滞在制作やロヴァニエミ美術館での交流展 (vol.10)に至り、昨年の英国スコットランドとの交流は、両国に離れたまま繋がる連携開催 (vol.11~vol.14)により、コロナ禍というハードルをなんとか乗り越えました。
そして今、自分の表現に没頭しようとするとき、交流で実感した人や環境や文化の多様性が想像のなかに活きてきます。
私たちは生物のひとつとして、今あらゆる他者との関係を作り直す節目にあるのでしょう。
頻発する自然災害や地球を覆うコロナ・パンデミックは、人類が、地球という惑星の有機的な現象の只中で、多くの未知の存在とともに生きていることを認識させます。さらに個々の人類も生来多様であるうえに、年齢や病によっても変化していくもので、「他者」は相当に多様な存在です。
今回の個展では、人類以外の生物や精神的な存在、自然現象など、この世界をかたちづくる森羅万象について想像をめぐらし、この地球上のヒトのあり方を再考したいと思います。

丸山 芳子


わたしの住居の近くに深沢七郎の生家跡があります。
若い人はご存じないかと思いますが、小説『楢山節考』で世の中を震撼させた小説家です。
深沢七郎はエッセイなどで人間滅亡教を唱え、いかに人間がくだらないもので、早々に世界から消えた方が良いと説いた人です。
そこまで過激にならずとも、昨今の気候変動、原発災害、パンデミック、戦争などなど人災の数々は深沢七郎の洞察の鋭さを証明しています。(パンデミックは家畜を仲介してウィルスが伝染することによって起こります。家畜という制度は人間が生んだものであり、広範囲の感染は交通の発達の結果です。)

人間中心主義から多様な他者との共存へ。
それは頭では理解できても、具体として身体で体験するのは難しいかもしれません。
丸山さんはその課題に、美術という方法で実践してきました。
それは上のコメントに要約されている通りです。

本展の特色は、「ヒトとあらゆる他者と」の関係をマクロとミクロの視点で表していることです。
生物のミクロな生命活動やその多様性、神秘的な自然の様態と脅威、マクロに宇宙から俯瞰した地球の有り様。
そしてヒトのミクロな生態の中にマクロな宇宙が存在している不思議を、多彩なドローイングと立体で表現しています。
それは科学的視点というより、主体(ヒト)と客体(他者)との交換、融合であり、大きな宇宙の多様な流れを表したものです。

宇宙飛行士は地球の美しさを「青い惑星」と称えました。
丸山さんのドローイングも青が基調になっています。
それは希望の青なのか、それとも滅びの青なのか。
美の中に思考が誘い込まれる、スケールのあるインスタレーションと思いました。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

 

会期

2022年7月11
日(月)ー7月23日(土)
日曜休廊
11:30ー19:00(最終日18:00)

会場案内