藍 画 廊

大場さや展
地面の上と地面の下
OBA Saya



大場さや展
の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の28点が展示室の展示で、その他小展示室に2点の展示があります。
作品の詳細をご覧下さい。





天井から吊された作品3点です。
タイトル「地面の上と地面の下」(コンクリート、雑草、根っこ、漆、真鍮 )です。



左壁面、左端、右端の作品です。
左は「家の中の家」(コンクリート、蜜蝋)、
右は「自然のリズム」(鉛筆/ 松の葉のフロッタージュ ) です。



正面壁面の3点の作品です。
左と中央は「積雪と地面の間で待つ春」(版画/モノタイプ )、
右は「snow, gravel, ground 」(版画/モノタイプ )です。




右壁面、左端、右端の作品です。
左は「自然のリズム」(鉛筆/ 松の葉のフロッタージュ ) 、
右は「地の皮」(和紙、漆、真鍮)です。



手前のテーブルの作品、右側です。
「たんぽぽの綿毛」(たんぽぽの綿毛、漆、真鍮)です。



手前のテーブルの作品、左側です。
左の2点は「ある日の地面」(コンクリート、漆、金)、
右の2点は「地面をひと掬う」(セメント、顔料、漆、真鍮)です。



奥のテーブルの作品、右側です。
「ground sandwich」(セメント、顔料、漆、真鍮)です。



奥のテーブル上の作品、左側です。
「ground sandwich」(セメント、顔料、漆、真鍮)です。


<作家コメント>
地面の上の空気を纏うものと、地面の下の土を纏うもの。
目に見えて存在するものと、見えないけど存在しているものを、
地面を境に同じ存在物として視覚化させる。


地面を見たことがあるかと問われたら、わたしは答えに詰まります。
何となく下を向いて歩くことはありますが、じっくり見たことがないからです。
ここで、地面の研究者大場さんの登場です。
展覧会の副題は「地面の上と地面の下」。
そのタイトルの作品は地面を断面にして、地表と地下が表されています。
地表では植物が光合成をして、呼吸しています。
地下では根が土壌の養分を吸収して、それを茎や葉に送っています。
つまり、地面の上と下が一体となって、生命活動が行われているのです。
このことはわたしたちとは無関係でありません。
なぜならお陰でわたしたちは酸素を得、野菜を与れるからです。

地面には松の葉などの落葉が見られます。
大場さんは「落葉に一つとして同じものがない」ことを発見します。
人間のすべてが異なるように、実は落葉だって同じものはないのです。
わたしたちはつい落葉という一つのイメージで全体を括ってしまいますが、人間と同じ様にどれもが異なっているのです。
その多様性を松の葉のフロッタージュ=ドローイングで表しています。

研究者の主な仕事は記録です。
大場さんは地面を観察して、それを丸ごとフリーズドライして記録します。
フリーズドライとは地面の化石化で、永久保存のことです。
そうして地面が生物と同じように、時間と共に変化していることを解き明かします。
地面の精緻な記録は、止まることのない万物の流転(諸行無常)を表しているのかもしれません。
同じ日もなく、同じ地面もなく、同じ葉もありません。

作品は実物の雑草、根っこなどと金や真鍮の粉、バインダーとしての漆、それにコンクリートなどを使っています。
そのハイブリッドな組み合わせと、画廊空間を構成するインスタレーションが眼を惹きます。
ここでは立体、平面、インスタレーションが無理なく溶け合っています。
ミニマルやコンセプチュアルアートを思わせる洗練された表現にひねりの効いた遊びも隠されています。
美術の可能性と楽しさが、地面をテーマに展開されている大場さんの展示です。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト
リストマップ

2020年藍画廊個展


会期

2021年
1220日(月)ー25日(土)
11:30ー19:00(最終日18:00)

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