BACK→CONTENTS



藍 画 廊


根本美恵展

根本美恵展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側壁面です。
作品はすべて、パネルに和紙、岩絵具です。
左から、題名「ナツミカン」で41.0×91.0cm、
「ミカン」60.0×45.0cm、「ナツミカン」55.0×90.0cm。



右側壁面と入口右(事務所裏側)の壁面です。
右の小品は、「ナツミカン」29.0×30.0cm。


左側壁面です。
「ナツミカン」78.0×78.5cm。



以上の作品他、通路側ウィンドウに一点展示されています。

画廊内は「ナツミカン」が四点と「ミカン」が一点ですね。
柑橘系のモチーフです。
作品をピックアップしてご覧いただきます。



正面左の「ナツミカン」。
モチーフとしてはナツミカンの形から入ったという根本さんのお話ですが、この作品はほとんど抽象です。
描画の入口としての形、と考えて良いと思います。



正面左の「ミカン」。
この作品だけ「ミカン」です。
人の顔にも見える、幾分ユーモラスな作品です。

他の作品とは受ける少し印象が違いますが、意図的に変化をつけたそうです。
「ミカン」の仄かな甘さ、和み、そんな感じが画面から窺えます。


次は、右側壁面の「ナツミカン」。



この作品は、ナツミカンですね。
形が残っています。
考えてみればナツミカンは不思議な果物で、甘味が少なく独特の酸味、苦味がありますね。
刺激と香りの強い果実です。
昔は重曹をかけて味を円やかにしてから食しました。
「シュワ〜」という微かな音と白い泡。
砂糖が貴重な時代の工夫だったのでしょうか。

「ナツミカン」も「ミカン」も植物です。
日本ではありふれた植物ですね。
画材も手法も日本的です。

根本さんの作品制作の根底には、「水」があるそうです。
「ナツミカン」、「ミカン」は多くの「水」を含んでいます。
又、果物の成育に「水」は欠かせません。
環境としての「水」と、その成果(果実)としての「水」。

女性作家が好んで植物をモチーフに選ぶのは何か理由(わけ)があるような気がします。
流行(はやり)の自然志向とは無縁の、植物のもつ根源性に魅かれるのでしょうか。
その生命と人との関係に敏感だからでしょうか。

「ナツミカン」と「ミカン」。
わたしが幼いころから最も親しみを持っている形や、味や、香りの果物です。
作品の自然な佇まいと無理のない制作姿勢。
それが、作品と観る者の間に静かで穏当な空気を存在させています。

ご高覧よろしくお願いいたします。


会期


2002年10月28日(月)-11月2日(土)


11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内



BACK→CONTENTS