藍 画 廊


池原浩子展
IKEHARA Hiroko


池原浩子展の展示風景です。



各壁面の 展示です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の14点が展示室の展示で、その他小展示室に2点の展示があります。
作品の詳細をご覧ください。



左壁面、左端の作品です。
タイトル「境・界-1」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で、サイズ910×910mmです。



左壁面、中央、右端の作品です。
左は「境・界-2」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で910×910mmです。
右は「境・界-3」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で333×333mmです。



正面壁面、左端、中央の作品です。
左は「境・界-4」(キャンバス裏地、ハンダごてで穴)で240×240mmです。
右は「境・界-5」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で1176×1176mmです。



正面壁面、右端の作品です。
「境・界-6」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で435×435mmです。



右側壁面、左端、左から2番目の作品です。
左は「境・界-7」(ハンダごてで穴、ラッカー)で530×530mmです。
右は「境・界-8」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で1176×1176mmです。



右壁面、左から3番目、右端の作品です。
左は「境・界-9」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で333×333mmです。
右は「境・界-10」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で333×333mmです。



入口横壁面、左端、左から2番目の作品です。
左は「境・界-11」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で333×333mmです。
右は「境・界-12」(キャンバス裏地、ハンダごてで穴、アクリル)で180×180mmです。



入口横壁面、左から3番目、右端の作品です。
左は「境・界-13」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で240×240mmです。
右は「境・界-14」(キャンバス裏地、錐で穴、アクリル)で240×240mmです。


画廊の壁面には池原さんの展示に寄せたテキストが貼付されていますので、下記に転載致します。

<境界から境・界へ>展に寄せて 池原浩子

□<平面>は不思議さと不可解さをはらんでいる。ここ7〜8年、<平面>そのものを表現の対象とすることで、解放された新たな可能性を追求してきた。
初めはキャンバス地カッターで切る、削る、錐で穴を開ける、バーナーで焼く、ルーターでこするなどして、素材としてだけではないキャンバス地のそのものを確かめてきたように思う。今回の<境界から境・界へ>展は,「平面」を問うそうした自分の歩みのひとつの過程である。

□キャンバスを木枠から一旦剥し、裏地にニードルや錐、ハンダごてなどで穴を開け、次に表地からアクリル絵具やインクを塗り、穴から裏地に色を滲み出す。こうしたややこしいことを繰り返しながら、表と裏の逆転と通過という相反する概念のせめぎ合いで、初めて見えてくる無限空間を彷徨いそして浸る奇妙さを味わっている。

□<境界>は我々の周囲どこでも存在し、また生み出せるものでもある。一方、既存の表裏を無くし新たな概念をむき出しにしていくこともは、モノ、コトの本質や真実とは何かをとらえる上で重要である。
今は<境界>は当然のことながら、こちら側、向こう側ではない幾重にも複雑に重なる境界となって立ち現れる。その様を「境・界」として認識しつつ、<平面>への新たな追求の可能性を探っていきたいと願っている。


画廊の壁面に整然と並んだ作品。
その端正で静謐な佇まいに、眼は安らぎます。
この作品はキャンバスの裏地を表にして穴を開け、その反対側(表地)から絵具を染み込ませたものです。
まず思うのは、これは平面なのか立体なのかという疑問です。
キャンバス地を木枠に張り、壁面に展示したという形態から見れば平面であり、布と木をメインにした三次元と見れば立体になります。
しかしそのどちらでもなく、その境・界であって、カテゴライズとは異なる地平に作品が存在しています。

平面、絵画には表と裏があります。
それは自明の理として、あえて問いません。
世の中の多くは自明の理で成り立っていて、それはそれで円滑な社会の運営には必要なことです。
しかし時として、それを疑うことも必要です。
なぜなら、考え方や社会に硬直化が起こるからです。

そして自明の理をひっくり返すと、思わぬ発見があるのです。
例えば、池原さんの平面。
キャンバスの裏側にこのような美しさが秘められていたとは・・・・。
裏と表という二分法の境・界から立ち上がる何か。
それを見つけることは、美術の硬直化を逃れることであり、自明の理や先入観を揺さぶる美術の大切な行為なのです。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

会期

2017年11月5日(月)ー10日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内