藍 画 廊

森岡葉子展
MORIOKA Yoko



森岡葉子展の展示風景です。



各壁面ごとの展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。


入口横の壁面です。

以上の36点で森岡葉子展は構成されています。
作品は入口横壁面以外はカラーコピー、トレッシングペーパー、厚紙に水彩、イラストボードを使用しています。
サイズはすべて148(H)×210(W)mmで、タイトルは「虫喰い葉」です。
入口横壁面は巻紙、和紙、木材、布を使用しています。
サイズはすべて1600×480mmです。

左壁面に3枚組の「虫食い葉」の製作過程を記したテキストが貼付されていますので、下に掲載します。

3枚組の「虫喰い葉」製作過程

毎月第3日曜日に窓辺の皿に置いた一枚の葉を、
コンビニでコピーし、トレペに写し、
裏に木炭を塗って
初期には緑色、のちに褐色の厚紙に輪郭と葉脈を写し取り、
ハサミと彫刻刀で切り抜き、コピーを見ながら厚紙の厚みまで
透明水彩とガッシュで色塗り、葉脈を描いて、台紙に糊付け。
でも同じように描くのはむずかしい・・・
やがて、破片の扱いに格闘。コピー機の熱で破片が舞い上がり、
飛び散って、裏おもて滅茶苦茶に重なり、毎月新たな工夫の連続、
自分の不器用さがイヤになりました。
それでも、時間の変化が目に見える作品群となり、
ここに個展を開くことができました。
3枚組は中央がコピー、右にトレペ、左が切り抜いて色をつけたものです。
掛軸は一緒にコピーした6枚の葉をひとつの軸に10か月分切り貼りしました。

目に見える自然を表現したい
自分の内部を表現したい人と
目に見える外部世界を・・・とゆう人と
どちらもありだと思うが、
突き詰めてゆくと
ある時、くるりと裏返って、内と外とは
同じところに達するように思う
そんなふうに感じながら、
海や樹木を描き、葉っぱを写している。


作品を1点ずつご覧下さい。






以上が左壁面です。





以上が正面壁面です。






以上が右壁面です。




入口横壁面の作品です。
左端は「掛軸1」、中央左は「掛軸2」、中央右は「掛軸3」、右端は」掛軸4」です。

〈作家コメント〉

木の葉の九相図。虫食い葉を毎月カラーコピー、トレペに写して模写、切り抜き色を乗せた。
二年余で20数枚。緑の葉は黄色から茶色に変わり、粉々になりつつコピーされ、模写され、貼り込まれ、壁に並ぶ。


葉の移り変わりを表した、全36点の作品。
これらを目にした時、思い浮かべるのは時の推移です。
時間そのものは目に見えません。
しかし、それを視覚化する方法は様々あります。
森岡さんが選んだのは、葉の風化する様子を描くということ。

作品の左上に記された日時どおりに眺めていくと、時間の経過が良く分かります。
あたかも人の一生を見ているようで、飽きません。
人生は長いようであっという間です。
そんな感慨が、自然と頭に浮かんできます。
葉もやがては腐り果てて、土に還ります。
人間も同じです。
そんな万物の無限の循環が、この作品には在ります。

葉をカラーコピーで写し取って、それをトレペでトレースし、切り抜いて着色。
そこに見えるのは、記録するという行為の意味と変容。
絵を描くということは、元々は記録の意味合いが強くありました。
それをストレートに現しながら、伝搬で生じる変容にも触れています。
伝搬することで、形や色は微妙に変化していきます。
これは文化の伝搬、変容を想像させます。

ごくシンプルなコンセプト(アイデア)で製作された森岡さんの作品。
それでありながら、見る者の想像力を刺激してやみません。
一枚の葉が生むドラマ。
短編でもあり、長編でもあるドラマだと思います。

ご高覧よろしくお願い致します。

作品リスト

会期

2015年9月14日(月)ー9月19日(土)

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内