藍 画 廊



田島弘行展

TAJIMA Hiroyuki

田島弘行展の展示風景です。



各壁面ごとの展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、タイトル「この旅は不用意に始まった」(石粘土・木・麻・真鍮)でサイズ100(H)×50(W)×40(D)cm、「並木の緑にすこし怯む」(石粘土・木・麻・真鍮・アルミ)で80×40×20、「OCTOBER」(石粘土・木・麻・真鍮)で70×45×45です。



正面の壁面です。
左から、「やわらかい約束(組作品)」(石粘土・木・麻・真鍮)で31×45×25と70×38×30、「その頃時間はゆっくり流れた」(石粘土・木・麻・真鍮)で95×24×19です。



右側の壁面です。
左から、「影だけしか見えない」(石粘土・木・麻・アルミ)で50×40×30、「たいしたことじゃない」(石粘土・木・麻・アルミ)で50×35×21、「光を含んだ淡い黄色」(石粘土・木・麻・真鍮)で70×35×28です。



入口横の壁面です。
タイトルは3点共すべて「dessin」(紙・パステル)でサイズもすべて20×20です。

以上の12点が展示室の展示で、その他小展示室に3点の展示があります。



左壁面左の「この旅は不用意に始まった」と頭部のクローズアップです。
本展の立体は人物像と階段に大きく分けられますが、その二つが合体した作品です。
クローズアップで見るとお分かりのように、細かいところまで丁寧に作られています。



左壁面の「並木の緑にすこし怯む」と「OCTOBER」です。
首が長く、腕が極端に細くデフォルメされた像ですが、何の違和感もなく、ごく自然です。



正面壁面の組作品、「やわらかい約束」の左側部分です。
階段が迷路のように組み合わされ、その中に人が一人置かれています。



正面壁面の「その頃時間はゆっくり流れた」の上部の部分です。
ジオラマのような作品で、建物と階段で構成されています。
人が一人、座っているのがお分かりでしょうか。



右壁面の「影だけしか見えない」と「たいしたことじゃない」です。
淡い色彩が効果的で、頭部の触角(?)がポイントになっています。



右壁面の「光を含んだ淡い黄色」です。
大胆にデフォルメされたプロポーションと赤い球。
全体のバランスが美しく取れていますね。



入口横壁面の「dessin」のなかの1点。
グリーンの瞳が魅力的なポートレートです。
「dessin」は壁面展示の他、ファイルも画廊に置かれています。


〈作家コメント〉

いま、この時いいな ということがあります
そんな時間を形にしてみたい と思います



藍画廊には珍しい立体の人物像(人形)の展示です。
どれもが大胆なデフォルメを施されています。
繊細な神経と感性の豊かさを感じる像の数々。
溜め息が出るような優美さです。

田島さんはもともとは絵画の人です。
「dessin」を見ればその力量が推し量れます。
構図と色彩とタッチ、どれをとっても非凡です。
その絵画的力量が秘められた立体の人物像。
どれもが「いま、この時いいな」を表しています。

並べられた人物像はスクッと立っています。
小さな頭、細くて長い首と、極端に細く長い手、緩やかなカーブの肩。
プロポーションのバランスが見事です。
それに見合った控えめな彩色。
押す作品ではなく、引き込む作品ですね。

柔らかな作品には、どこか遊びがあります。
その遊びが作品にある種の余裕を生んでいます。
それをも含めて、ここにあるのは大人の作品です。
時間を形にできる、大人の作品です。

ご高覧よろしくお願い致します。

 

会期

2012年12月17日(月)ー12月22日(土)

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)



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