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藍 画 廊


近藤昌美展


藍画廊に入ると、大作二点が左右の壁面に向かい合うように展示されています。
右側の壁面です。















高さが2m80cmあります。
普通の家だったら天井の高さより高いでしょうね。
幅も2m40cmあります。
巨大な作品です。
キャンバスに油彩で描かれています。

絵画です。
実に、絵画です。


作品を子細に見てみると、いろいろなイメージの集積のようです。
近藤さんによると、新聞や雑誌の写真を説明の部分(キャプション)を省いて収集し、それをもとに描いたそうです。
そのイメージは近藤さんの中では具体性を欠いたビジュアルですが、どこかで見た覚えがあるようなイメージです。
まさに、イメージといえます。

イメージの集積の上(空中)に子供の玩具がリアルに描かれています。
木でできたカラフルな玩具です。
垂直に立てられた木の軸に重ねて遊ぶ玩具です。











左側の壁面です。
こちらも大きいですね。
高さが2m50cm、幅は1m85cmあります。

キャンバスに油彩。
上の作品に比べると色数が少なく、画面を覆うようにグリッド(格子)がかすれたタッチで描かれています。


こちらの作品はイメージが判然としません。
抽象的な線や面との判別が難しくなっています。
上の作品に比べて方法論的にはそれほど変っていないと思いますが、内面的な要素を強く感じます。

作品の大きさと配置に強い意志を感じる展覧会です。
レイアウトとかインスタレーション的展示とは別の次元の、意志の強さを感じます。
これは、絵画に対する強い意志だと思います。
自己と絵画、世界と絵画に対する強い意志、及び葛藤も画面から感じます。

この絵画は精神性が強いように見えますが、逆に肉体性に重きが置かれているような気がします。
あるいは、その拮抗を目論んでいるのかもしれません。
作品の巨大さに呑み込まれず、作品の中に入っていくとそれが観えるかもしれません。

芳名帳スペースに二点、道路側ウィンドウにも一点小品が展示されています。
大作との表情の違いを楽しんでいただければ、と思います。

ご高覧よろしくお願いいたします。


会期


2002年3月11日(月)-3月16日(土)

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内



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